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さて、新年早々、国際社会では原油が100ドルをつけ、ケニヤでは暴動により、また多くの無辜の人々が犠牲となった。一方、国内では東京証券取引所の初取引が全面安となり、一時765円安を記録し、日本経済にとって暗い幕開けとなった。 1月2日、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTIが1バレル100ドルの大台をつけた。この人類史に残る取引をしたトレーダーはリチャード・アレンズ氏(ABS社)だとファイナンシャル・タイムズ(3日付)が報じた。原油価格の上昇は中国、インドの経済成長や、昨年より見られる“ドル離れ”の中で商品市場への大量の投機資金が流入したことで、いつか100ドル超を迎える日が来るとは言われていた。しかし、この原油価格は新聞で紹介されているように、“おじいちゃんの孫への自慢話”が理由の一瞬の出来事であって欲しいと願っているのは私だけではないだろう。 今回、原油価格が上昇した直接的要因は、米国の石油在庫の減少、ナイジェリアの情勢不安、さらに2日に発表された米国の製造業の景況感指数(2007年12月)が47.7ポイント(前月比3.1ポイント低下)をつけ、米国景気の減速感が広まったことである。多くのオイル・エコノミストは、1バレル20ドルは投機による上昇であり、2008年の平均価格は1バレル80〜85ドル程度に低下すると予想している。その分析においては、米国がサブプライムローン問題から立ち直り、ドル離れが一段落するとの基本認識に立っていることが多い。しかし、その基本認識も必ずしも確かとはいえない。 ここで、経済と離れて政治的観点で現在の原油価格上昇により国力を増している国を見てみよう。それはGCC諸国、イラン、ロシア、ベネズエラなどの資源ナショナリズムが高まっている国が挙げられる。これらの国々がどのような戦略で米国に対応するかによって、国際政治のバランスは大きく変わってくる。本年早々のテーマとしては、まずイランの核開発問題がある。また上海経済機構がどのような協調体制でユーラシア外交に臨むかも注目される。資源大国が政府系ファンド(SWF)を所有し、自由経済市場で経済力のみならず政治的発言力を増している現在、国際経済で新たなルール作りが必要な時にあると言えそうだ。100ドル誕生はそのことを警告しているのではないだろうか。 もし本年のG7サミットなどでこの問題が協議されないとしたら、先進諸国が石油・天然ガスへのエネルギー依存から脱却できないことを示していると言えるだろう。そして、それは中長期的には地球温暖化問題への対策の前途を暗示しているとも言える。 新年早々、体調を崩して寝込んでしまい、本日がブログの書初めとなり失礼しました。
本年もどうぞご愛読賜りますようお願い申し上げます。 |
エネルギー問題
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