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9月17日、イスラエルの与党カディマの党首選挙が実施され、リブニ外相が勝利した(18日発表。最終得票はリブニ外相43.1%、モファズ運輸相42.0%)。また、イエメンでは、米国大使館を標的としたテロ事件が起きた。一方、米国では大統領選挙や金融危機が話題をさらっているが、16日、17日で2つの中東政策が動いた。 1つはイラン政策である。現在、国連安保理事国+ドイツは、協力してイランのウラン濃縮活動の停止を要求した安保理決議の履行を迫っている。この点については、米国は国際協調を重視して対応している。その一方、米国は独自に対イラン経済制裁を強めている。17日、財務長は大統領令に基づいて実施している対イラン経済制裁においてイラン企業6社を新たな金融制裁の対象とした(同月10日にはイラン国営海運会社および関連会社など18社を対象に追加している)。なお、党派を超えて5人の歴代米国務長官が9月15日、イランとの対話を促す声明を出したことは興味深い(*)。 2つ目は、9月16日にバグダードでイラク駐留多国籍軍の司令官の後退式が行われたことである。同式典にはゲーツ米国防長官も出席しており、米軍撤収のペースの確認も行われたと思われる。この点に関し、ペトレイアス陸軍大将(中央軍司令官に就任)は、イラクの治安状況は脆弱ですぐに反転する可能性がある旨、離任演説で述べた。 当面、イラクにおける米軍の撤退は、来年2月までに8000人と抑え気味である。ゲーツ国防長官は、9月10日付けの下院軍事委員会の証言で、このことに言及し、次期最高司令官に幅広い選択肢を残したと説明している。 この2つのことからブッシュ政権としては、イランとイラク情勢に関しては、長期的な対応策をとることで次期政権に政策幅を与えているように見える。このことと関係してか、イスラエルによる対イラン攻撃に必要となる武器援助(バンカーバスター)の求めを拒否したとの報道も流れている。 こうした米国にとっては、イスラエルのリブニ外相がカディマ党党首に選出された事は、喜ばしい結果だっただろう。 ブッシュ政権では当初、ラムズフェルド国防長官やチェイニー副大統領の存在感や発言力が大きく、彼らの考えが政策立案に反映されていた。いよいよ任期が残り少なくなってきたが、少しずつそうした政策が修正されつつある。 (*)9月16日付ハーレツなどを参照。 http://www.haaretz.com/hasen/spages/1021344.html
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