米国を見る目

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オバマ次期米大統領の中東地域に関する政策を考える上で、アフガニスタン、イラクについてはペトレアス米中央軍司令官という実績ある人材がいる。そして、同司令官はすでに両国での作成の徹底検討作業をはじめており、2月には報告書が提示されることになっている。一方、東地中海におけるイスラエル・パレスチナ問題は外交交渉が中心であり、クリントン政権下で活躍したグレゴリー・B・クレイグ氏(元国務省政策企画局長)やアンソニー・レイク氏(国家安全保障問題担当大統領補佐官)などが政権内外で助言を行うと見られている。
オバマ次期大統領にとって、イスラエル・パレスチナ和平交渉、イスラエル・シリア和平交渉、レバノンの安定化に関する状況を好転させていくことは、輝きを失いつつある米国の指導力や信頼を回復するための課題の1つである。この点において、オバマ氏は米最大のイスラエル・ロビー団体「米イスラエル公共政策委員会」(AIPAC)との結びつきが強いクリントン夫妻の活用(例えば特命全権特使として。ヒラリー・クリントン氏が国務長官有力候補との報道もあるが)や、現在、中東和平カルテットの特使として活躍しているブレア前英首相との連帯は視野に入っていると思われる。オバマ次期大統領が組閣人事や来年1月の就任演説で、中東和平プロセスを再活性化させるとの明確なメッセージを出せば、サウジアラビアをはじめとスル穏健アラブ諸国や、来年2月に総選挙を控えているイスラエルの和平支持者は、新たな気持ちで和平努力を行うであろう。
現在のイスラエル・パレスチナ情勢は、パレスチナ側では対イスラエル強硬派組織のハマスとパレスチナ自治政府大統領のアッバス氏の基盤であるファタハの対立が続いている。また、ハマスとイスラエルの間では今年6月に停戦が成立したものの、11月に入り、再び武力衝突が続くようになった。この2つの対立状況を鎮静化させるには、エジプトやトルコ、カタル、サウジアラビアなどによる中東地域内の和平努力だけでは難しく、米国の関与が欠かせない。
ブッシュ政権は、当初、パレスチナ国家の樹立を目標に掲げたものの、イスラエル寄りの対応を続けたことで、この8年間の和平交渉において、会議は多く開催されたが成果が上がらないという袋小路に陥った。この状況を打開するためには、例えば、サウジのアブドゥラ国王の提案(提案当時は皇太子)を基に作成されたアラブ和平提案をイスラエルに受け入れさせることや、2000年のクリントン大統領かで実施されたキャンプデービット和平会議での失敗の経験を活かすことなどが考えられる。
オバマ外交チームが聞く耳を持って、焦らず、地道な対話を継続していけば、東地中海の局面が「チェンジ」する可能性はある。中東の人々の中からも、「Yes,We Can」の合唱が聞かれることを願う。

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