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オバマ米大統領は、主要国首脳会議(G8)で、イランの核開発問題の対応を9月のピッツバーグの金融サミット(G20)で討議することをまとめた。仮に、この討議の結果を踏まえて行われるイランとの交渉をイラン側が拒否すれば、イランに対する国際的制裁措置が強化される可能性があるだろう。 したがって、イランのアハマディネジャド政権が発足すれば、今後2ヶ月間は、イランに対する国際圧力が高まらないようにするため、多様な方法を試みるだろう。例えば、米軍のイラクからのスムーズな撤退を妨害する事である。7月12日にイラク南部ディカル県(シーア派が大半を占める)で起きた、ヒル駐イラク米国大使の車列を狙った爆弾攻撃のような行動をとるだろう(同事件にイランが関わっていることを実証する情報資料や証拠は報じられていない)。また、イラン国内で米国関係者の身柄を拘束し、解放するための交渉条件を高める事も考えられる(例えば7月9日にはイラン系米国人研究者のキアン・タジバクシュ氏がテヘランで逮捕された)。 こうした緊張した米・イラン関係が続く中で、気になる動きが見られた。それは、2年前にバグダードの財務省から拉致されたイギリス人5人のうち2人の遺体が、イランとつながりのあるイラクの武装勢力から引き渡された事である。また、このことと合わせるように、米軍が2007年にクルド自治区のアルビルで拘束していた5人のイラン人(イラン革命防衛隊のクッズ部隊だとも言われている)が、9日に釈放された(12日にテヘランに戻った)。なお、6月にも、米兵5人の殺害容疑でイラクにおいて拘束されていたライス・ガザリ(イランとつながりがあるとされる武装勢力メンバー)が釈放されている。 英国のアフガニスタンにおける死者数が7月10日で184人となり、英国内の国内世論がアフガン駐留にさらに疑問を呈し始めている状況である。何故、英国はイラクやアフガニスタンで自国の若者を死なせなければならないのかとの問いかけも聞かれている。その中、米国は、アフガニスタンでのタリバン、アルカイダなどとの戦いで英国の協力を欠くことはできない。このため、米国が英国と協力して、英国人行方不明者に関する交渉を行っているとも考えられる。 イランの革命防衛隊は、レバノン、シリア、イラク、アフガニスタンなどで国外活動をしているといわれているが、今後2ヶ月間はG20のメンバー国内やその関係施設を対象に活動を展開することも考えられる。イランは、それだけ苦しい立場にあるのかもしれない。
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