米国を見る目

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11月1日、中東地域では前途多難を予感させる状況が生れている。1つはアフガニスタン大統領選挙の決選投票へのアブドラ氏の不参加表明、2つ目は中東和平問題でのイスラエルの占領地での入植活動の継続が明らかになったことである。

アフガニスタンでは、10月の米兵の死者数が59人となり、2001年の米軍の介入以来最悪となった(それまでは今年8月の51人)。2009年は既に281人に達している(昨年は155人)。さらに、スタンリー・マクリスタル駐アフガニスタン米軍司令官が4万人の増派要請を行っているが、オバマ政権は1万程度の増派とするのではないかとの報道がある。
また、政治的にも選挙管理委員会はカルザイ氏の大統領当選を発表したが、市民の中には不満の燃えが根強く残っている。カルザイ政権が国民対話に今後どれだけ真剣に取り組めるのか、課題は多い。
どうもオバマ政権は、アフガニスタンの出口戦略で大きな壁にぶつかっているように見える。

同様に、イスラエルとパレスチナとの中東和平交渉での両者の溝を埋められず、壁にぶつかっている。その打開のために、米国がミッチェル特使を度々派遣して仲介工作を試みているが、成果は上がっていない。
その原因はイスラエルのネタニヤフ政権の強硬姿勢にある。中東を歴訪したクリントン国務長官が10月31日にイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談した。その中で、クリントン長官は従来の入植活動の全面凍結を求める姿勢を変更し、部分的凍結を良しとする発言を行った。
こうした米国の政策変更に対し、パレスチナ自治政府関係者は「和平交渉再開の機会を破壊した」と語っている(11月2日、アルジャジーラ・テレビ)。
イスラエルの入植活動については国連や国際司法裁判所も停止を求めている。アラブ側にはオバマ政権がその原則を覆そうとしていると映っただろう。

オバマ大統領が本年、トルコ、カイロで行った演説はイスラム教徒との融和の呼びかけであった。それは、前ブッシュ政権が悪化させた中東地域での米国イメージの回復に前向きに強めている事をアピールするものであった。しかし、アフガニスタンでのカルザイ氏への支持、中東和平でのイスラエル寄りの政策の継続によって、中東の人々に「変らぬ米国」を印象付けることになったのではと危惧される。

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