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12月4日、パキスタンのイスラマバードの南隣ラワルピンディで、モスクがテロの標的となり、死者は40人、負傷者は26人に上った。その前日にはソマリアで大学の卒業式の海上でテロが起き、暫定政府の閣僚3名を含め19名が死亡した。11月27日にはロシア北西部で列車テロが起きるなど世界各地でテロが多発している。 その中、イギリスは総額5000万ポンド(約73億円)をかけてビンラディンの追跡を強化した。 これまでも、アフガニスタン、パキスタンでは対テロ諜報活動が活発に展開されているが、あまり成果が上がっていない。その要因の一つとして、両国の国民の中にイスラム過激派武装グループへの共感者がいることが挙げられる。 ブラウン・イギリス首相は同国を訪問したパキスタンのギラニ首相に努力不足だと不満を表明した。 アフガニスタンやパキスタンで軍事的攻勢を強めれば国際テロ・グループの活動を沈静化できるだろうか。それが可能かどうかは不確実である。確かにスリランカでは強硬手段で武装勢力を押さえ込めた。 一方、交渉による成功事例としては、12月4日、インドがテロ組織に指定している「アッサム統一解放戦線」(ULFA)の指導者アラビンダ・ラジコワが副官および護衛とともに投降したことがあげられるだろう。ULFAは1979年に創設され、インド国内で爆弾テロを繰り返していたが、今回、暴力の放棄、権限付与の要求の取り下げを前提条件とした和平交渉が成果を挙げたと見られる。インド政府が特別に交渉に長けているわけではないだろう。おそらくポイントは、適切な交渉条件を提示できたことだろう。 イスラム過激派武装グループの中にはジハード(聖戦)を防衛戦ととらえているものもある。そうしたグループに対しては寛容性をもって対応していくことが重要だろう。そのためには、まず各グループの特性を見極めることが必要である。
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