国際関係・国際協力

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普天間基地移設問題は、522日の岡田外相・ルース駐日米大使会談をはじめとする関係各レベルでの日米協議を経て大筋合意に達した。日米両政権は同月28日にも共同文書を発表することになる。
今後、同問題は、11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するオバマ米大統領の訪日を目処に細部が詰められることになる。
 
この普天間基地移設問題でも、政策形成における官僚の役割の変化が見て取れる。
日本の景気の長期低迷にともない財政が悪化する中、特に民主党政権になってから、日本の政策決定過程での政治家の比重が飛躍的に高まっているようだ。
 
前政権は普天間基地問題で、防衛施設庁関係者が沖縄の地元の人々との会合を重ね、ようやく1つの政策決定を行った。
現政権は、その政策を一時的ではあったが変更する試みを官邸主導で行おうとした。その試みの必要性、方向の妥当性、緊急性については多くの論が出ており、ここでは多くを述べない。
ただ、一言だけ、野党時代の民主党のシャドウ・キャビネットは一体、どのような役割を果たしていたのだろうか。そうした疑問を抱かざるを得ない政権運営が続いている。「大臣にはどのような能力が必要か」について、民主党は改めて問い直し、この9ヶ月間の自己評価をすべきだろう。
 
さて、私は、普天間基地移設問題に関して単純な疑問を抱いている。それは、関係省の官僚は、官邸主導の政策決定に協力的に動いているかというものである。
鳩山政権は国家公務員法の改正を推進し、官僚の既得権益に構造的にメスを入れようとしている。この行政改革型の政権に対し、これまで享受してきた利権を奪われる立場の官僚は、本来あるべき中立性を持って政策形成、施策への協力をしているのだろうか。
 
中野雅至(兵庫県立大学准教授、元官僚)は、官僚の抵抗の方法として、情報、時間、状況の3つを操作すること、「逆丸投げ」など心理面に圧力をかけることなどを挙げている。
中野によれば、情報操作とは、意思決定者に必要な情報資料を提示しない、仕事への意欲をそぐほど情報資料を提供するなどの方法である。
時間操作は、政策形成過程のタイムスケジュールの主導権を握り、実質、審議を事務的にコントロールする方法である。
状況操作は、利害関係者の調整を全て済ませた上で、意思決定者に同意を迫る方法である。
また、「逆丸投げ」は、官僚と意思決定者の意見が異なり、意思決定者を説得できない場合、「どうぞ、ご自由におやりください」という態度で抵抗を示す方法である。
その他にも、専門的な立法知識を使って、その政策が現行法に抵触する可能性があり選択は難しいと助言したり、省内の最終責任者の責任が追及される問題を、わざわざマスメディアにリークすることもあるという。
 
普天間問題は、政策課題が複雑で、官邸と各省の政治家(政務三役)だけで対応できるのもではない。つまり、官僚が抵抗手段をとり易い問題だといえる。
しかし、ここでは実際に官僚が現在、抵抗という行動をとっているかどうかを問題にしたかったのではない。
自民党政権末期に、政権交代を望む官僚の一部が政権への抵抗勢力として動いたことは記憶に新しい。このような官僚の抵抗を抑えるためにも、政策形成過程の三段階(企画立案、利害調整、執行)において、政治家の合理的意思が発揮されることが必要である。
特に、企画立案において合理性を高めるためにも、政党にはシンクタンクが必要ではないかと考える。残念ながら、自民党も民主党も、先の衆議院選挙後、シンクタンクを廃止してしまった。
米国のように基本戦略づくりにシンクタンクを活用することが、日本の政治改革の1つの方策ではないだろうか。
 

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