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5月24日、世界中が注目する米国・中国の第2回「戦略・経済対話」が中国で開催される。
日本のメディアの中には、同会議よりもクリントン米国務長官が日本に3時間程度しか立ち寄らなかったことを、ことさら話題として取り上げているところもある。
同様のことが、2008年の米大統領選挙中にもあった。
民主党の大統領が誕生したら米国は対中関係を重視するようになるとの見方を、多くの日本のメディアが報じた。そのことに配慮してか、クリントン国務長官は就任後、アジア外交における最初の訪問先に日本を選んだ。
現在、米国が抱えている問題には、北朝鮮問題、イラン核開発問題、人民元も切り上げ問題など中国と十分な意見調整をしなければならないことが多い。米国にとって、中国がまさに重要なステークホルダー(利害共有者)となっていることは言うまでもない。
しかし同時に、グローバル・パートナーにはなり得ていないことも確かである。それは、根本的に両国にはイデオロギーの違いがあり、そのことにより政治、経済制度が異なっているからである。
さて、米中会議を前に23日、中国は王副首相がバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長と意見交換をしている。また同日のワシントン・ポストには、謝財政相が米国と中国は経済政策で強調すべきと訴える寄稿文を掲載させている。
さらに同月15日には、中国の国務院が民間投資に関する36項目からなる文書「民間投資の健全な発展の奨励と誘導に関する若干の意見」を発表し、社会主義市場経済体制の完成に向けた長期政策を示している。
確かに中国は急速に発展しているものの、まだ国際標準で労働条件、人権、環境などを生産コストに組み込んだイコール・フッティングを求める段階に至ってはいない。しかし、30年後の中国の国内総生産(GDP)は購買力ベースで世界の40%に達すると、米シカゴ大学のロバート・フォーゲル博士(1993年ノーベル経済賞受賞者)が予測するような国家なのである。
米国とって、こうした中国との経済協議(貿易、投資)は、単に二国家間の問題にとどまらず、ギリシャ財政危機を受けての世界経済の回復という課題の解決を模索する意味でも重要である。
一方、安全保障問題については、米国では本年度5490億ドルに膨れ上がった国防支出(10年間で倍増)を今後削減する中で、インド洋、太平洋での海軍力の保持が検討されることになる。例えば、11隻も空母を保有することの意味(2隻以上保有する国は米国以外ない)や、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦の必要性が議論される可能性もある。
したがって、米国にとってアジア・太平洋地域における「脅威」をどのように捉え、その「抑止」(運用や事態が明確化しては抑止にならない)をどのように行うかは非常に重要な問題である。そこには沖縄での米軍の展開能力を総合的にどう考えるかも含まれる。米国がこの問題で、軍事力を伸ばしている中国との会談が重要だと考えていることは論を俟たない。
今回の米中の「戦略・経済対話」はこのような背景のもとで行われているものであり、当然、日本の未来にも大きく影響する会議である。世界の動きに鈍感になっていることこそ、日本の危機であるといえるだろう。
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国際関係・国際協力
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確かにそうですね。
2010/5/24(月) 午後 2:45 [ tel*te*107*ouzu ]