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531日、イスラエルはパレスチナのガザ沖で国際支援団体の支援船(6隻)を拿捕した。この事件で支援団体「フリー・ガザ・ムーブメント」(自由ガザ運動)の関係者とイスラエル軍の武力衝突が起き、同団体関係者に9名以上の死者が出た。
その後の61日、トルコの要請を受け、国連安全保障理事会が協議を行い、議長声明を出した。同声明の主要点は、拿捕した人々の即時解放および、透明性が高く国際基準を満たす事件の調査の要求である。
 
この間に伝えられた報道内容を整理すると、事件の概要は次のようなものである。
1.支援船団には32カ国、約600名(もしくは680名)のパレスチナ支援者が乗船していた。
2.船の積荷は、建材、医療機器類、食糧品など約1万トン
3.船団はガザに接岸する目的で、30日午後に集合地点のキプロス沖を出発し、公海上を航行していた。
4.イスラエルはガザ接岸を認めず、ガザに近づく船は拿捕するとの警告を行っていた。
5.拿捕当日、イスラエルは6隻に停船命令を出したが、支援船側がこれを無視したため拿捕する命令を出した。
6.この際、6隻のうちのトルコ船1隻において、イスラエル海軍特殊部隊と支援者の間で武力衝突が起きた。
7.支援船団は、イスラエルのアシュドッド港に向け曳航された。
8.62日、支援者503名と死者9名の棺を乗せた航空機がイスラエルを離陸し、トルコ、ギリシャに向かう(なお、残りの支援者もヨルダンを経由して関係国に移送予定)。
 
さて、この事件は今後どのような波紋を広げるのだろか。
イスラエルのイェデオト・アハロノト紙は、近年、中東和平問題にトルコが関わりを深めていることに触れ、「この戦争(ガザ沖での同事件)は、中東の未来に関わるものだ」として、イスラム勢力vs.イスラエルという対立が深まるだろうと報じている。
また、同じくイスラエルのハアレツ紙は、同事件が第3次インティファーダの原因ともなりうると、今後の情勢が不安定性を増したと伝えている。
一方、ロンドン発行のアラビア語紙アルハヤート紙は、支援船団の到着を期待し、夢破れた61日のガザの人々の様子を伝えている。例えば、「イスラエルに死を」と叫び通りに繰り出すパレスチナの人々の姿などである。
 
これらの報道を踏まえると、次のようなことが言えるだろう。
1.イスラエルとアラブの対立で仲介役的な立場をとってきたトルコが国内のイスラムの高揚と関係して、パレスチナ寄り(イスラム寄り)になりつつある
2.イスラエルが国家安全保障を理由に武力行使を繰り返すことで、国際世論はイスラエルが国際法に従わない国だとのイメージを強めている
3.中東和平交渉の進展に努めるオバマ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相の関係修復が遅れる(なお、ネタニヤフ首相は1日にオバマ大統領と会談予定であったが、急遽取り止めとなり、日程再調整となった)
4.中東和平交渉に尽力する一方、ガザ封鎖に協力しているエジプトのムバーラク政権を窮地に追いやる
 
そして、このように世界各国の人権活動家、平和活動家が反イスラエル抗議行動を繰り返したり、トルコがシリアやイランにさらに接近していくと、ネタニヤフ政権は中東和平政策の変更を迫られるだろう。
具体的には、①パレスチナ自治政府との直接の和平交渉、②ガザの経済封鎖の解除、③パレスチナ国家樹立の承認を視野に入れた政策変更となる蓋然性が高まることになるだろう。
こうしてみると、今回、イスラエルが選択した公海上でのパレスチナ支援船団への軍事作戦は、ネタニヤフ政権にとって想定外のダメージとなるのではないだろうか。
 

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