社会・文化

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民主党代表選を考える

長らくブログをお休みしていたことをお詫びします。
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8月26日、民主党の小沢一郎前幹事長が同党の代表選に出馬表明をした。日本のメディアはその話題で持ちきりである。
現代リベラリズムを代表する政治哲学者ジョン・ロールズの考えを参考に、現在の民主党内の対立や不和について説明すると、次のように言えるのではないだろうか。
民主党内には「善き生」(well-being)について異なる見解を持ついくつかの集団が共存している。しかし、先の参議院選挙で逆風が吹いたことで、党内で自らが思い描く「善き生」を追求するための環境を整えようと各集団が自己主張を強め、対立が顕となった。
そのことにより、民主党という集団が、「共通の目的」を持たず、「社会の共通善」という意識を欠いていることが一般市民に見えるようになった。
さらに言えば、民主党は、党内問題でさえ公議し、まとめることができない集団だと人々が認識してしまった。

そのような状態では、「善き生」について民主党内以上に多様な見解を持つ集団が存在し、多元的な対立を繰り広げている現代社会で、民主党政権は、さまざまな問題を調停していけるのだろうか。
調停のためには中立的立場で社会秩序を構築することが必要であるが、民主党にその能力があるのか疑わしいと、人々は思いはじめていることだろう。

また、アリストテレスが『政治学』で提示した「最高善」についての認識が欠けているような同党の議員による議論も見受けられる。
アリストテレスは、人間は共同で生きるものであり、そのための政治は倫理を欠いてはならないとしている。
それにしたがえば、政治集団が「善」を目的に行動していれば、倫理から外れた手段をとっても良い、という考えは否定される。
現在の日本には、経済の低迷、政治の停滞を打開するには、倫理を脇に置いても政治的に豪腕を振るえる人物を政治指導者としたほうが良いとの意見もあるが、アリストテレスによれば、それは政治本来の思考ではない。

現在の政治学はギリシャ哲学をもとに、西洋思想によって確立されてきた。
そのことに反発し、東洋モデルや日本モデルを理論立て、実践しようとする民主党議員もいるかもしれない。それが日本の社会空間の特性に見合ったものであれば、国内的には問題が生じにくいかもしれない。しかし、政治学についてしっかりとした認識を持つ欧米のマスメディアや市民の目から見れば、奇妙なものに映るだろう。また、日本人でも強い正義感を持つ人は、耐え難いと思うかもしれない。

果たして、小沢一郎前民主党幹事長を与党である同党の代表に推薦することは、「公共の秩序」づくりという「善」を求める政治家の目的にかなうことなのだろうか。好き、嫌いという感情で政治家を選択していないだろうか。
公共選択論で有名なハーバード大学のマイケル・サンデルは、アリストテレスの考えを踏まえ、共同体の統治者は「善」の理解者、実践者であることに加え、「名誉」を重んじる人物であるべきとしている。

民主党の各議員には、短期思考で党利党略、私利私欲に走っていると思われても仕方がないような選択ではなく、「最高善」を求めて政治実践を行うことが求められている。少なくとも、日本の子どもたちの良き手本となることを念頭に、行動してくれることを望む。


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