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「アラビア半島のアルカイダ」(イエメンに拠点を置く)が今年7月、ウェブサイトで英語版の「インスパイア」という雑誌を発刊したことを契機に、国際テロ組織アルカイダが、新たなインターネットの活用を始めたことが注目されている。
10月19日付AFP通信は、湾岸研究センター(Gulf Research Center)のムスタファ・アラニ氏の「かつては非アラブ読者など気にも留めなかったアルカイダが、グローバルなリクルート活動を目指した新たな側面だ」とのコメントを紹介し、アルカイダが戦略転換を遂げつつある旨を報じた。
この報道から6日後、CNNは、動画サイトのユーチューブに、米国人イスラム指導者でノースウェスト航空機爆破未遂事件、テキサス州フォートフッド陸軍基地での銃乱射事件と深いかかわりがあると見られているアンワル・アラウキー・イスラム法学者(米国籍、イエメン在住)のビデオが大量に存在し、350万回以上も視聴されていることを紹介した。
これらのことから、アルカイダは英語を日常的に使っている世界各地のムスリムをジハード(聖戦)の戦線に送り込む戦術を取り始めたように見える。
つまり、米国やヨーロッパ諸国の中にあるムスリム社会の同胞に、ジハードに関する認識を再活性化させ、そこで自前の戦士を育てさせ、米国やヨーロッパ社会内部から抵抗運動を展開するという戦術への転換だと言えそうだ。
これは、今年3月、トルコに世界各地の穏健なイスラム法学者が集まり、ジハードについて協議し、ジハードを行うことに否定的な見解で合意したこととは反対の動きである。
10月29日、米国連邦捜査局(FBI)は、ワシントン首部の地下鉄テロ計画に関与した容疑でパキスタン系米国人ファルーク・アハメドを逮捕したと発表した。こうしてアルカイダのインターネットの活用の効果も見られている。
10月27日、アルジャジーラが、ビンラディン容疑者のものとされる人物の音声を放送した。その内容には、「安全を守りたければイスラム諸国に対する不当な処置を停止せよ」との警告が含まれていた。果たして、このメッセージを、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国内のムスリムはどう受け止めているだろうか。
どうやら、米国、ヨーロッパ諸国でテロが起きる蓋然性が高まりつつあるようだ。
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