国際関係・国際協力

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2010年も残すところ1週間となった。
12月20日に、緊張する北東アジア情勢について、国際政治学者のピーター・フィーバー博士(米国、デューク大学教授)、デビッド・A・ウェルチ博士(米国、ウォータールー大学教授)、ビクター・V・クジミンコフ博士(ロシア科学アカデミー極東研究所)、および日本の研究者らによる、幅広い観点からの分析を聞く機会を得た。
それ以降、「なぜ日本人の多くは、身近な北東アジアの安全保障問題について、あまり高い関心を持たないのか」について考え続けている。また、来年は、そのような日本人の次の10年を規定してしまう事柄についての選択の機会が、国内外において多数、訪れるのではないかという気がしている。

日本人はこの数年間、産業構造改革の立ち遅れに代表されるように、「総論賛成、各論反対」という姿勢で、国内の諸問題の解決を先送りもしくは一部の修正のみで済ませてきたように思う。それは、議論が各論に及ぶと、既得権益者が私益を主張して、「公共益」の重要性を訴える声を抑え込んできたからだろう。
これまで、国民国家という、閉じた狭い空間内の利益配分についてであれば、「公平」や「正義」という観点からすれば多少の問題はあっても、国内を二分してまでも改革を断行するに至らないことが多かった。
しかし、リーマン・ショック後のグローバル化した国際社会では、国家、企業、個人などさまざまなレベルでの競争や協力が、ダイナミックかつスピードアップして起きている。

例えば、国家という空間を世界に対して大幅に開かねばならないものの1つに自由貿易協定の問題がある。日本でこの問題について語られる際、「EPA」「FTA」「TPP」などの用語が使われることで、多くの日本人は、身近にどのような影響があるのか、実感がわかなかったり、過度に不安視したりする傾向があるように思う。そのためか、政策を実現せねばという危機感が欠けている。
一方、韓国は、EUとFTAを結び、乗用車では10%、薄型テレビでは14%の関税撤廃を実現した。また、米国とも乗用車(2.5%)、トラック(25%)などの関税をゼロにするFTAの締結にこぎつけた。日本が何の政策も打たなければ、EUや米国の市場で関税が残ったままの日本製品は完全な敗者となる。
また、日本の最大の貿易相手国になりつつある中国市場でも、25%の関税がかけられている日本車は、そう遠くない将来、中国国産車との競争に敗れることになるだろう。

貿易立国日本は、スピード感を持って世界に開かれた経済構造へと変え、経済連携を推進しなければ、現在の景気低迷から浮上することはできないだろう。その政策の実施に当たっては、国内制度改革や国内産業対策を一体として推進することが重要課題である。
しかし、日本では、一般に人々がまだ問題を概念的にとらえるのみで、理解が深まっていないのではないか。そのため、農業分野関係者などの抵抗をはじめ、またもや「総論賛成、各論反対」の声が高まっている。
同様に、財政改革と一体化する必要がある福祉改革、地方改革、公務員改革でも、「総論賛成、各論反対」の状況である。先のG7蔵相・中央銀行総裁会議でもわかるように、財政改革は、もはや国内問題ではないといえるのに、である。

自由度が高く、価値観が多様化している日本において、これらの問題について国民的合意を得ることは難しい。しかし、2011年11月に開催されるハワイでのAPECの中心テーマは、TPP加盟問題である。また、2年続けて税収を上回る額の国債発行をして国家予算を組む状況にあることや、福祉関連経費が毎年2兆円近くも増加するという実情に正対すれば、改革断行はどうしても避けて通れない。
最初に触れた、北東アジアの安全保障問題も、同様により現実に即した法整備や防衛・外交政策が必要であることは言を俟たない。

「辺境の国だから」という言説は通じないとの認識に立って、「国を開く」べき時が来ているように思う。

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TPPの長期的な本質は日本市場開放と二極化を加速させるだけで日本にとっては全くメリットはありません。
http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php?show_date=20101218

2010/12/25(土) 午前 0:52 タカ派


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