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イラン制裁問題に関し、20111231日にオバマ政権は国内法ではあるが、イラン中央銀行と取引がある外国金融機関に制裁を課す法案に署名した。また、欧州連合(EU)は、イラン産原油の輸入禁止を今月末の首脳会議で決定する方針である。
この問題に日本の政策立案者や決定者が注目しているのは、エネルギーの安定供給問題と国際協調という2つの政策課題があり、それらを解決するための政策案を策定することが求められるからである。
 
日本の対外政策がよって立つ基本理念は、憲法前文の精神に求められている。それは、(1)自由と民主主義、(2)平和主義、(3)国際協調主義、(4)人類への貢献である。
この基本理念を踏まえれば、日本の対イラン政策は次の方向性をとることになるだろう。
まず、平和主義の観点である。
憲法前文には「恒久の平和を念願し・・・・全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と謳われている。この点から、日本の政策は、国際社会がイランの核開発を脅威と認識し、ウラン濃縮活動の停止を国連安保理決議で求めていることに賛同し、世界平和の実現を目的として国際社会に働きかけるものとなるだろう。
次に、国際協調主義の観点である。
憲法前文には、「いずれの国も自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」「われらは・・・・国際社会において名誉ある地位を占めたい」とある。このことから、日本国内の特殊な事情を理由に国際的な秩序づくりに参画しないことは望ましくないとの考えが導き出されるだろう。
以上のことから考えると、日本の原油総輸入量の約1割をイラン産が占めており、その決済はイラン中央銀行を介しているという特殊事情を国際社会に説明し、特別な配慮を求めるといった対イラン政策は、基本理念にそぐわないと言えるのではないだろうか。
 
政策過程において、政策決定の中心である総理がすべての問題に注意をはらい、それらの政策案に目を通すことは困難である。このため、大臣が分掌し各省庁の各部門が事務を分担する。この時、省内での政策立案において対立が見られることがある。日本の対イラン政策もその1事例である。
1979年のイラン革命以来、外務省内部で政策立案について、北米局や総合政策局と中東・アフリカ局との対立が生じることもあった。その背景には、日本が(1)安全保障を米国に依存してきたこと、(2)資源を持たざる国でありながら、第二次世界大戦後も資源外交をおろそかにしてきたこと、(3)イラン・北朝鮮の軍事協力に対する無関心さがあったことがあると言えるだろう。
そして、その結果、政府開発援助を使ったカルーン・ダムの建設やアザデガン油田開発などに関し米国の対イラン政策と摩擦が生じることもあった。
 
核開発問題をはじめとして、国連のもとでの国際秩序づくりは、北朝鮮における政治不安が高まっている現在、より重要なものとなってきている。
112日に予定されているガイトナー米国財務長官と野田総理の会談は、「対米配慮」という外交姿勢ではなく、「グローバルパートナーシップ」に基づいた対イラン政策をアピールしてほしい。
それによって、シーレーン問題への関与を示した昨年末の総理のインド訪問や、エネルギー問題に対応する玄葉外相の中東歴訪もより生きてくるのではないだろうか。

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