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7月19日、ニューヨークの原油先物相場が7日続伸し、WIT(8月物)で1バーレル92.66ドルをつけた。
この上昇要因としては、次のような点が挙げられる。
(1)18日のシリアの治安本部での爆発事件によりこの地域の情勢が悪化し、主要産油国であるイラクやイランにも悪影響が及ぶことへの懸念。
(2)イラン核開発阻止への国際圧力が高まる中で、イランがペルシャ湾での国際原油取引を妨害する計画を練っているとの情報が流れていること。
(3)米国が中心となり、9月16〜27日にペルシャ湾で軍事訓練が実施されること(日本の海上自衛隊が参加予定)。
(4)18日にブルガリアで起きたイスラエル人観光客を狙ったバス爆破事件(イスラエル人5人を含む7人が死亡)に関し、イスラエルのネタニヤフ首相がエルサレムでの記者会見で、「イランのテロの手先であるヒズボラが実行した」と述べ、イスラエル・イラン間の緊張が高まっていること。
これらのうち、(2)(3)(4)はイランと直接関係する地政学的リスクである。しかし、(1)は、リスク連鎖の観点で予測されるシナリオであり、実際は原油供給量の減少には直接結びつきにくい。
しかし、中東地域の出来事となるとすぐにエネルギー安全保障と結び付けられ、市場関係者が動くことで原油価格が押し上げられる状況にある。
こうしたことから、以下で、シリア情勢が今後どのようなリスク連鎖を起こす可能性があるのか、もう少し考えてみたい。
現在のシリア情勢は、18日のダマスカスの爆破事件によって一つの転換点を迎えたといってよいだろう。
ヨルダンのアブドゥラ国王も「シリアの政権にとてつもない打撃だ」と述べ「全面的な内戦という最悪のシナリオになりつつある」(18日のCNNテレビとのインタビュー)との発言をしていることから、こうした認識を持っていると思われる。
そして今後、戦闘が激化すればするほど、カーニー米大統領報道官が19日に述べた状況、すなわち「将来のシリアにはアサド大統領が含まれないこと」が「明白」になってきている。
シリア国民会議のアブデルバセット・セイダ議長は18日、政権は数週間あるいは数カ月で崩壊すると予測している。
一方で、ブルッキングズ研究所のドーハ・センターのサルマン・シャイクがAP通信でコメントしているように、政府軍の連携性は維持されており、政権が短期的に崩壊するとは考えにくいとの見方もある。
そこで、注目したいのは、アサド政権を支えていると思われるロシアと中国の対シリア政策である。
両国は7月19日(ニューヨーク、午前)、国連安保理で、この10カ月で3度目となる拒否権を発動し、米・英・仏・独・ポルトガルの5カ国が提案した対シリア決議案を廃案とした(賛成11、棄権2、反対2)。
ロシアと中国の拒否権発動理由は昨日のブログで言及しているのでここでは触れないが、採決を前に、中国の「環球時報」(7月19日付)がシリア問題について次のように報じている。
(1)ロシアと強調した投票行動をとるべき。
(2)シリアの結末が西側の望むとおりになろうとも、中国の行動は間違っていない。
(3)弱小政権(ポスト・アサド後のシリアの新政権を想定していると思われる)が強大な中国を敵とすることはあり得ない。
こうした論調から、中国はシリア問題を、「西側」が自らの国益のために主権国家に国際介入をしようとしているのに対し、自らの「反介入」論は正義であると開発途上国向けアピールの機会ととらえていると推察できる(例えば、18日の中国・アフリカ・フォーラムでの胡首席の発言)。
それはロシアも同様だろう。
したがって、両国は国益が守れるのであれば、バッシャール・アサド大統領がだれに政権の座を移譲しても問題はないと考えているだろう(ロシアのオルロフ駐仏大使が、アサド大統領が政権移譲をめぐる交渉を委ねる代表者を指名したことは同大統領が退陣を受け入れたことになる旨述べた、とフランスのRFIラジオが20日報じている。)。
両国にとってあってはならないことは、「西側の正義」が正当化されることである。
さて、以上の点を踏まえてシリア問題のリスク連鎖を考えてみると、次のようなことがいえるだろう。
国際レベルでは、冷戦時を思い起こさせるイデオロギー的対立が見られているものの、それが代理戦争へと発展する蓋然性はかなり低いといえるだろう。
また国家レベルでは、アサド政権が崩壊した場合でも、周辺諸国で宗派対立(シーア派対スンニー派)、国家間対立(サウジ対イラン)へと直接つながっていく蓋然性も低いと考えられる。
したがって、中期的にエネルギーの需給バランスが大きく変わる状況が生まれるとは考えにくい。
ただし押さえておきたい点は、経済制裁の効果や戦闘・暗殺等でバッシャール・アサドの側近グループが縮小したとしても、自分が属する利益集団を守るために現体制内に残ることしか選択できない人々がいるということだ(例えばシャビーハ)。
そうした人々が、仮に化学兵器などの大量破壊兵器を使って国外でテロ行為を実施した場合、短期的にエネルギー危機が発生するというリスクはある。
なお、日本が、エネルギーの安全保障をこのような中東地域に委ねていることや、他国との送電網やパイプラインがない島国という地理的状況にあるという脆弱性の高さを再度確認しておきたい。
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今年の六月頃、シリアの状況をネットニュースで知り、かつ、シリアの正確な地理位置を知ったものです。
シリアが一刻も早く戦闘状態を脱し、平和な状態を保つことを切に願っています。
また中東に石油の九割を依存する我が国においては、シリアへの和平に出来うる限り積極的に参加し、戦闘が停止した後は、シリア復興へのあらゆる協力を実施することが中東の安定や我が国の国際的信頼をさらに勝ち得るチャンスかと考えます。
2012/7/21(土) 午後 4:57 [ 平和ボケ ]