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シリア危機と日本

828日、ドイツのZDFテレビが、ドイツ国内でシリアの反体制派がアサド後の政治プロセス(政権以降の手順、治安組織改革、新憲法の制定など)についての協議を実施していると報じた。また、イタリアも関係国の首脳会議開催に努力している。
一方、アサド大統領が、29日、民間テレビ「アッドゥニヤ」のインタビューに答え、「まだ勝利するには至っていないが、現場の状況は好転している」と語り、治安回復への自信をのぞかせた。
 
シリア情勢は、戦闘状態が長期化していることで、アサド政権、反体制勢力のどちらが勝利しても、あまりに大きなものを失ったという状況になることは確かである。
失われたものとは、次のようなものである。
 
1は、国民融和と治安である。
今後、宗教の観点ではアラウィー派、キリスト教徒、ドゥルーズなどの、民族ではクルド、アルメニア、トルクメンなどのマイノリティの人々が、マジョリティであるスンニー派アラブの人々とどう折り合って生活していくのかが注目される。
2は、インフラ(水道、電気設備など)、建物の破壊である。
これらの再建にはかなりの時間と資金が必要となるだろう。
3は、軍や官僚機構など公的組織が受けた打撃である。
バアス党体制下の軍や官僚機構から、スンニー派を中心に離反者がでており、組織の再生は可能かが注目点である。
 
また、国内外の避難民の帰還という大きなテーマもある。
8月上旬、サウジアラビアでアブドラ国王の発案で24時間テレビを放映してシリア支援のための募金活動を実施、44000万サウジ・リヤルを集めた。
ちなみに、日本政府は824日現在までに総額およそ1300万ドルの緊急無償資金協力を行っている。
しかし、シリアの復興のためには、より莫大な資金が必要となる。
 
日本のこれまでの中東地域における復興支援では、アフガニスタンについては復興会議で大きな役割を果たした。
一方、パレスチナ問題では、独自の役割を見つけられず、請求書だけを受け取り資金を拠出するという外交場面も見られた。
果たして、シリアに対する支援では、日本はアフガニスタン型か、パレスチナ型か、どちらになるのだろうか。それとも、文化国家シリアの特性を生かした新たな形の支援を行うのだろうか。
トルコ、米国、フランスはシリア領内に限定的な飛行禁止地域を導入することを検討している。また、米、英では化学兵器の拡散への対策も協議している。
国際社会は資金援助のみでなく、政治的にシリア問題にコミットしている。
日本も、望むらくは、今日のシリアの地政学的な意味と歴史的、文化的なシリアの価値を踏まえた長期的な対シリア外交政策を立案してほしい。
 

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