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パレスチナ自治政府のアッバス大統領と評議会のドゥエイク議長は、次期首相に指名(2月21日)されたハニヤ氏が提出した新閣僚名簿の審議を3月27日から開始することで合意した(首相指名から最大5週間までに組閣を行う)。組閣期限の3月28日は、イスラエルの総選挙の日でもあり、中東和平問題にとっては注目される日となる。
現状、イスラエルではシャロン氏が設立した中道新党カディマが、アリエール入植地、マーレ・アドミア入植地、グシュ・エツィオン入植地を維持し、それ以外の西岸の入植地を撤去し、国境を4年以内に画定する方針を示した。これにより、同党は選挙戦を有利に進めている。しかし、イスラエルの選挙は全国比例制で多数の政党が立つため、カディマが第1党(予想では30〜40議席)となっても過半数の61議席(定数120)は望めない状況である。様々な連立が予想されているが、カディマのこの西岸切り離し、分離壁による国境画定の方針はイスラエル新政権の中心課題となるだろう。
このカディマは、ハマスが加わった政権とは交渉しないとの姿勢を示している。また、ハマスもイスラエルを承認した上での西岸・ガザ地域でのパレスチナ国家樹立という「二国家共存」の現行の和平路線を否定している。パレスチナの現状は、電気、ガス、水道、通信といった生活インフラに加え、出稼ぎ労働等でイスラエルに依存する体質となっている。ハマス政権が実質的にイスラエルを承認しなければ、ガザや西岸で人道危機が起こることも予想される。また、ハマスが対イスラエル治安強化を図らなければ、一部の報道で流れているテロ攻撃が実施される恐れもある(3月23日付ヨルダン・タイムズ電子版は、イスラエル国防相の、イランの支援の下でイスラム聖戦がテロを計画との発言を紹介している)。
ハマスが、内政面で腐敗、政治改革に成果を挙げても、アラブ外交での支援強化だけではパレスチナの人々の生活は好転が見られず、閉塞感を生む可能性すら考えられる。このような中で、ハマスが進む方向としては、(1)ロードマップを進展させる、(2)ヨルダンとの連帯を強化する、(3)イスラエル闘争を再燃(第3次インティファーダ)等が考えられる。いずれにしても、紛争下にあるパレスチナの人々の生活改善の道のりは遠い。だからこそ、巻き返しを図るファタハから新リーダー待望論が強くなるのかもしれない。

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3月21日、国連安全保障理事会のイラン核問題に関する2回目の非公開協議が延期された。その理由は、中国・ロシアが歩調をあわせ、議長声明に盛り込まれる「核兵器と生物・科学兵器の拡散は国際の平和と安全に対する脅威になりうる」との文言の削除を求めたからだと報じられている。
このロシア・中国関係では、プーチン大統領が同21日から2日間の日程で中国を訪問している。そこでは、イラン問題、北朝鮮問題の協議に加え、エネルギー協力、宇宙開発協力の強化・拡大が検討されている。中でも、エネルギー分野では、東シベリアと西シベリアからの中国への天然ガス供給パイプライン建設計画が合意され、ロシアが年間600〜800億㎥の天然ガスを供給することとなった。このような両国関係と対照的に、中国外務省は、米国の「国家安全保障戦略」(3月16日発表)に対し、無責任な指摘との反駁を行っている。急増するエネルギー需要から見れば、中国がエネルギー安全保障の観点からロシアを戦略的パートナーと捉え、政策を展開するのは当然だろう。
ここで注目されるエネルギーは、ロシアのイルクーツク平原部の地下にあると推定される莫大な埋蔵量の石油・天然ガスである。これを中国と結ぶルートとしては、イルクーツク州コヴィクタのガス田を中国北東部につなぐパイプライン建設とモンゴル共和国の領土を通るルートが考えられた。このうち、モンゴル・ルートについては、距離が短くコストが低く抑えられるためロシア等は推進を検討したのだが、モンゴルを自国領とみなす中国の一部の政治指導者の反対で進展を見なかったといわれている(2004年10月のプーチン訪中では合意できず)。未確認ではあるが、今回合意のアルタイ・ガスパイプラインが報道で伝えられるようにモンゴルの領土を通るものであれば、中国の政策転換として注目されるものとなる。さらに、もう一つのSiberiaパイプラインでは、エネルギー供給源が問題となる。中央Siberia東部の生産力は潜在的には大きいが、現状では、タイシェト=ナホトカ間の本線(日本)と大慶への支線(中国)の両方への供給はできない。中国は、大慶ルートの先行をロシアに求めており、日ロ平和条約が結ばれていない中、中国の動きが気がかりである。中国は、エネルギー供給源として、その他にもカザフスタンとの石油・天然ガス・パイプライン計画を有している。しかし、このようなパイプライン計画には巨額の費用がかかる。また、天然ガスの市場価格も上昇している。この現状から、中国は、スーダンでの人権問題、イランでの核開発問題等でも国際秩序形成より国益優先の資源外交を展開している。中国が人治国家から法治国家となったのは20世紀末である。今後、この国がどのような資源外交を展開するのか、大いに注目されるところである。

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