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7月17日、北海ブレントが1バレル78.18ドルをつけ、原油価格の最高値を更新した。主要国首脳会議(G8)では、サンクトペテルブルク行動計画の中で、エネルギー安全保障に関する特別文書がまとめられた。しかし、中東地域の情勢不安が、原油価格を押し上げ続けている。そこで、エネルギー問題について、少し考えてみたい。
7月12日、国際エネルギー機構(IEA)の中期石油市場報告によると、2011年まで、世界の原油の需要は、年平均2.0%で拡大し、日量9370万バレルに達すると予測されている。一方、今年6月の時点でのOPECの余剰生産力は、日量200万バレル程度であるが、2011年には、420万〜610万バレル程度まで拡大することも予想され、需給バランスに関しては余剰が見込まれている。このような中で、G8会議は、原油価格上昇の短期的対策として、(1)産油国と消費国の対話の増進、(2)エネルギー分野への投資促進の障害の削減、(3)省エネの自主目標の設定、(4)原子力エネルギー利用の検討を挙げた。注目されるのは、原子力エネルギーへの期待が強まったことである。米国は、これにより中東の原油への依存度の軽減を図ろうとしている。今回、原子力利用を特別文書で明文化した背景には、中国やインドの経済成長にともなう需要の急増がある。また、温暖化ガス削減効果も理由の一つである。これまで、“脱原発”の方向で進んでいた欧州でも、米国同様の動きが見られている。7月11日、イギリスは7年ぶりに政策を変更し、原発の建設を発表した。また、ドイツのメルケル首相もG8会議において、脱原発政策の見直しを検討している旨を報告した。その背景には、欧州の特殊事情として、ロシアの天然ガスへの依存度を下げ、エネルギーを多様化したいとの考えがある。
ここで問題となるのが、イランの核開発の例を見るように、核の拡散問題をどのように防ぐかである。米国はこの対策の一つとして、今年2月6日にグローバル核エネルギー強調構想(GNEP)を発表した。これは、米国において核のリサイクル技術を確立し、濃縮・再処理施設を放棄した国に対し、核燃料の供給、使用済み燃料の引き取りを行うというシステムである。今回のサミットでは、今後の国際社会のエネルギー安全保障の観点からも重要な会議であったが、北朝鮮問題、イラン問題、イスラエルとヒズボラの武力衝突といった政治課題に注目が集まる状況となった。このことで、核の拡散問題や原油価格上昇に対する決め手となる政策を打ち出せなかったことは残念である。

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