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イスラムの法根源であるコーランの第24章31節は、女性の衣服について言及されている唯一の節である。そこには、「信者の女たちに言うがよい。視線を低くして貞淑を守れと。外に現れ出るもののほかには彼女たちの美しさや飾りを目立たせてはならない。そしてヴェールをその胸の上にかけなさい」(『イスラームの生活を知る事典』より)とあり、女性のヴェールの着用に関しては、これ以上の具体的表現はない。しばしば指摘されていることだが、実際に、ヴェールの形や色、被り方は各地域の習慣や時代によって様々である。この女性のヴェール問題は、イスラム以前の男性社会の悪しき考えがコーランの中に残ってしまったと分析する研究者もいる。
さて、このようにヴェールについて言及したのは、4月下旬より、イランで服装や髪型などの風紀の取締りが強化されていることが気になったからである。4月26日付イラン・デイリー電子版によると、国会議員203人もアハマディネジャド大統領宛に、この措置の支持を表明する書簡を送っている。この書簡では、服装などの風俗の乱れは社会的堕落、道徳的危険であるとして、イスラム社会への挑戦に他ならないと論じている。そして、このような社会を脅かす者に対しては、イスラム刑罰を科し、取締りを支援するよう司法関係者に求めている。
現在、4月30日から実施されたこの取締り(社会的安全向上計画)によって、逮捕者や司法当局に送検された者が出ていることで、“好ましくない服装をした者”は激減しているという。この服装について、モガッダム治安局長(昨夏には衛星放送の利用の取締りに力を入れていた)は、からだの線が見えたり、裾や袖が短かったりしてはいけないことや、コートの色(挑発的な色はダメ)にまで言及し、さらにヴェールの着用の仕方や化粧の仕方にまで言及している。
最近、欧米諸国でも、イスラムの女性(ムスリマ)が、アイデンティティーを確認するため、自発的にヴェールを被る傾向が見られていると聞く。しかし、このイランの風紀強化は、「自らの意志」により選択した行為とは異なるものである。イラン革命以降、イランではイスラムの名の下で女性の自由・公平を求める社会活動は制限を受け続けているとの見方もある。ノーベル平和賞受賞者のエバーディー氏(女性、法律家)は、シャルクル・アウサトとの最近のインタビューで、「平和の中でしか民主主義と人権の進展はない」と述べている。歴史的に国家の統治者は、社会の安全、安定を理由に人々に制約を科すことを繰り返してきた。今日、イラン社会がなぜ風紀強化なのか。その背景には、経済政策の失敗、国際的孤立感などが複雑に絡んでいることがうかがえる。

2007年4月の推薦図書

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ケルゼン氏の学問、そして法学に対する純粋な姿勢は、強い意志と現実を冷静に分析する力に裏付けられている。国家について、憲法について、人間の生き方について、様々な面で考えさせられる一冊である。

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