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2007年6月の推薦図書

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武田先生は環境問題に真剣に取り組んでいらっしゃる研究者のお一人です。その内容が社会的ムードに反しても、説を明確に公表しています。今回も環境問題に関する鋭い観点をご披露くださっています。
7月15日、国際ワークショップ「シーア派〜世界的政治変動のなかで」に参加した。同研究会には、海外からは、フアン・コール博士(ミシガン大学教授、元北米中東学会会長)、ヒラール・ハシャーン博士(ベイルート・アメリカン大学教授)、ファーティマ・アル=サーイグ博士(UAE大学准教授)が招待され、日本国内からも著名な中東研究者が参加していた。
この研究会のテーマであるシーア派社会の現状やシーア派ネットワークについては、イラン革命直後、イスラエルや米国等の大学、研究機関で行われた数多くの研究会や研究発表の中でも取り上げられていた。そこで私は今回の研究会に参加することで、「イラン革命を基準とし、その前後でのシーア派社会の変化」と「イラクでのシーア派政権誕生を基準とし、その前後でのシーア派社会の変化」の比較ができるのではないか、そのことで、28年間の湾岸地域のシーア派社会の変化を考える糸口を見つけたいと考えた。特に、イラン・イスラム革命(イスラム法学者による統治)が湾岸地域に拡大しなかった要因の一つと分析されていた「ホイ・ネットワーク」(イラクのナジャフの大アヤトラのホイ師の宗教ネットワーク)が現在、どのような状況にあるのか確認できるのではないかと思った。
同ネットワークは現在、ホイ師の弟子であったシスターニ師(現在、ナジャフの大アヤトラ)が継承しているが、フセイン政権崩壊後、それが変質しているかどうかに興味があった。この点に関しては、コール博士が、バハレーン、サウジアラビアでの政治参加を求める社会運動における宗教指導者に言及し、彼らはシスターニ師の関係者である点、またイランを除く湾岸地域のシーア派社会では、ホメイニ師の「統治論」(ヴェラヤテ・ファキーフ)の支持が低下していると指摘された。イラン革命後に開催されたイスラエルのヘブライ大学のシンポジュームでは、湾岸地域のシーア派の主要モスクのイマームの分析についての報告があった。それと比較すれば今回は概略的といえるが、湾岸地域のアラブ人社会での対ペルシャ人、対イラン人の位置づけに変化はないようである。この点については、アル=サーイグ博士がイランと湾岸諸国のシーア派の関係について、経済的結びつきはあるが、政治的結びつきは弱いと述べていたことから窺い知れた。こうしたことに鑑みれば、湾岸アラブのシーア派の人々は、イランには親しさを感じており、ビジネス関係を有してはいるが、シーア派イスラムとしての“共同体的”アイデンティティーを形成するには至っていないようである。
一方、湾岸地域のシーア派と比して、イランのシーア派との関係を意識しているのがレバノンのヒズボラである。ハシャーン博士は、イスラエル・ヒズボラ紛争は現在、停戦中であって終結しているわけではないとの見解を示した上で、レバノンという小さな政治利権(パイ)争奪戦において、ヒズボラの台頭により“ゼロサム”的にどこかの勢力がパイを失うことになる、と述べた。そして、このヒズボラをイランが支援しているのだ、と語った。武器、資金、訓練などを通し、イランとヒズボラとのシーア派ネットワークが現存しているのである。同博士の言葉から、イラン・イスラム革命は未だ一国革命として封じ込められてはいない、との観を持った。

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