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8月8日、民主党の小沢代表とシーファー駐日大使が民主党本部で約45分の初会談を行った。会談内容は、テロ対策特別措置法の延長についてであったが、両者の見解は平行線に終わったと報じられた。研究者の中でも、国連安保理決議1386号の解釈では意見が分かれる。民主党がこの点を十分理解したであろう上で、会談の全容をマスメディアに公開したことで、「国際テロと国連」というテーマを日本がどう捉えるのかとの問題に一石が投じられた。
そこで、国際テロと国連の関係について、ここで基本事項を確認しておきたい。
国連は、憲章第2条4項で、武力行使と威嚇を禁止している。ただし例外として、国連憲章第7章の強制措置と第51条の自衛権の行使が明記されている。しかし、今日ではまだ、国連の枠組みでの安全保障体制が十分機能しているとは言い難い。特に国家以外の行為主体による攻撃は想定外であったため、その取り扱いは未確定のままである。小沢代表は、国連におけるこの武力行使に関する矛盾点を踏まえて、アフガニスタン戦争は「米国の戦争」(51条による個別自衛権行使)だと主張し、海自のインド洋での国際貢献は米国支援だと評価したと思われる。
ここで問題となるのが安保理決議1368号である。同決議は米国同時多発テロ事件の翌日、2003年9月12日に全会一致で採択された。その前文には、「テロ行為が引き起こす国際社会の平和と安全保障に対する脅威に、あらゆる手段によって(by all means)戦う」とうたっている。この「あらゆる手段」をどう解釈するかで、決議1368号を踏まえてつくられたテロ対策特措法の性格付けが変わることになる。この1368号については、9.11テロ事件があまりにも衝撃的であったため、十分な検討が為されないまま採択されてしまったとの評価や、被害国による自衛権の発動を確認したに過ぎないとの認識さえある。その一方で、全会一致の採択であったことを重く見て、国際テロへの集団的措置との認識もある。なお、この決議1368号は後に、米国がイラクはテロリスト支援国家とみなし武力行使をする際の法的根拠の一つに挙げた決議でもある。
今回、民主党の小沢代表は、国連の武力行使のあり方を国際社会に投げかけたとの見方もできる。民主党vs.自民党といった構図や「国益論」のみに終始するのではなく、主権国家に対する国際介入、国際社会の「保護する責任」などについて、これを機会に議論を深めるべきであろう。

☆「複眼で見る中東報道」を更新しました。 http://cigvi.exblog.jp/

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