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米国では金融危機の中、大統領選において「大きな政府」(ケインズ学派)と「小さな政府」(シカゴ学派)が論争されはじめている。一方、日本では衆議院の総選挙が近いといわれている中、政府の役割についての論争は、相変わらずの「霞ヶ関(官僚)批判」に留まっている。このように日本の問題解決の仕方は“ゆっくり”が常であるようだが、世界では歴史的な転換が急速に進んでいるようだ。その一面を見てみよう。
米連邦準備理事会(FRB)の前議長グリーンスパン氏は、今回の米国金融危機を「100年に1度起こるかどうかの深刻な危機だ」とテレビで語った。9月21日、米政府は7000億ドル(75兆円)の公的資金を投入して不良資産の買い取り処理を行う原案を作成、議会に提出した。
この1週間、米国金融市場は、リーマン・ブラザーズの破綻、メリルリンチの救済合併、そして保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)への救済策発表と、激震続きであった。その中、同法案が示されたことによって、根本解決にはならないが、一息つけるかもしれないとの声も聞かれている(それにしても、この地球規模でのリスク拡大に手を打ち続けている金融関係者の能力には関心する)。
しかし、現在の金融危機の根本原因である住宅ローン債務は、1994年末には3.2兆ドルであったものが2008年3月末には10.6兆ドルに達しており、金融関係者にはまだ拡大するとの見方が多い。それは、住宅販売件数のピーク年の物件の返却ローン金利の上昇が2009年頃に本格化すると見られているからである。この点で、金融関係者の緊張はまだまだ続くようだ。そして、おそらくこの危機から米国の景気後退は本格化し、その影響が世界経済に重くのしかかってくるだろう。
そうなると、国連のミレニアム・サミットで掲げられた貧困の削減目標は遠のき、国家、地方、個人などの各レベルで格差はさらに拡大すると考えられる。国際社会は、次期ロンドン・オリンピックまでの4年間、正念場を迎えるだろう。日本もその例外ではない。
フランスでは新たな行政的広がりを持った広域都市圏が形成されつつある。また、湾岸アラブ産油国においては新環境都市の建設が始まっている。ゆっくりことを進める日本も、そろそろ東京一極集中(富士山型)から地方分散(八ヶ岳型)で世界都市をつくれる地方分権政策を具体的に煮詰め、立法と行政機能をスリム化した小さな政府による国づくりに着手すべき時ではないだろうか。今回の米国金融危機は、日本にタイムリミットが近づいていることを知らせる警鐘のように思う。

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