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10月29日、オバマ候補が全米ネットのNBC、CBS、Foxなどに30分間の広告番組を放映した。この番組は3360万人が視聴した。31日に発表された世論調査では、前日に続きオバマ候補がマケイン候補に約7ポイントのリード(ゾグビー調査)となっている。また、期日前投票も順調に進んでおり、オバマ陣営に大きなスキャンダルや国際テロ・グループの妨害がない限り、現状のまま推移するとの分析が増えている。
一方、大統領選挙と同時に実施される国会議員選挙でも民主党が議席を増やすとの分析があり、米国では大統領と議会が民主党により一本化される可能性が高まった。
しかし、これによって、米国社会におけるリベラリズム(自由主義)とコミュニタリアリズム(共同体主義)のバランスが大きく変わったと見ることは必ずしもできない、と考える。その理由は、今回の選挙での米国民の共和党離れは、ブッシュ政権の対イラク、アフガニスタン政策への反発や経済問題が要因だと見られるからである。例えば、金融機関への政府資金導入に対する市民の声の中に、個人の利益を優先した人々への批判が強かった。これは、単に「不公平への不満」と取れなくもないが、「共通善」の実現を追求する共同体主義に基づく精神性の高い批判との見方もできるからである。
そうだとすれば、仮にホワイトハウスと議会の「ねじれ」がなくなり、税制をはじめ政策面で大規模な「チェンジ」が見られると、ドルや株価の回復は早まるだろう。その一方、米政府が社会への介入を強めることで、米社会での溝が広がる可能性も出てくる。そうでなくても、次期大統領の最大の課題は、イラク問題で分裂した国民の団結させることにある。社会的溝が深まれば尚更、米新政権は「内向き志向」にならざるを得ないだろう。
では、そのことが日本にどのように影響するだろうか。
「内向き」となった米国は、対ロシア政策、北朝鮮政策、貿易摩擦などにより、外交面では中国との実務協議の機会を多く持つようになるだろう。さらに、民主党内で知日家、親日家が少ないこともあり、米国から見た日本の地位は低下する可能性が高い。そうなると、日本では、安全保障や国際貢献などの面でこれまで以上に対米配慮に走る動きもでてくるだろう。
しかし、むしろ日本は米政権交代、世界経済の後退を、背伸びをすることなく中堅国家への方向転換の機会と捉え、そのことを真剣に検討、施策し始めるべきではないだろうか。

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