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5月29日、過去最大の総額13兆9258億円の補正予算が成立した。日本の国家予算は当初予算と合わせて、何と100兆円を越えた(2009年度の新規国債発行は約44兆円超)。その翌日、民主党の鳩山由紀夫代表が私の住む町で街頭立会演説を行った。小雨模様の天気にもかかわらず、聴衆が集まっていた。鳩山代表とは過去何度かお目にかかりお話をしたことがあり、優しい穏やかなお人柄だとの印象を持っていた。しかし、本日、同代表の演説にしても、演説後に交わした握手にしても、「覚悟」がひしひしと伝わってきた。

私はかつて、握手をした相手からこれと同じ気迫を感じたことがある。それは、日本政府特使として、中曽根首相、安倍外相の親書を携えてイランを訪問する人物を見送った時である。「行ってくる」「交渉の成功をお祈りします」と短い言葉を交わした際、数秒、時間が止まったように思えた。その時、その人物から、言葉では表現できないほどの気迫が発せられているのを感じたからであった。今も、その人物の後姿が目に焼きついている。それは、日本が仲介役となって始まったレーガン米大統領(当時)のイランとの秘密交渉の第一歩であった。成すべき任務の重さを受け止め、それを成し遂げようとする強い信念が、その人物から溢れていた。

おそらく、100兆円以上の予算を組んでも、その成果が日本経済や社会に現れてくるには時間がかかる。経済を失速させないためには、どの党が政権についても、再び現行に近い額の予算を組まねばならなくなる可能性は高い。その際には、税収があまり上がらない状況の中で再度、新規国債を発行せざるを得ず、未来の世代に更なる重荷を背負わせることになるだろう。100兆円予算の支出は単年度であるが、その悪影響はかなり残る恐れがある。鳩山代表から感じられた「覚悟」は、その現実を見据え、一日も早くその対応に取り組まねばならないというものではないだろうか。

日本を取り巻く国際情勢は、北朝鮮問題を巡り緊張が高まっている。また、GMの倒産をはじめ世界経済の先行き不透明感も続いている。そのような中で、日本の将来を明るいものにするためには、しっかりとしたグランドデザインを早期に描く必要がある。それには、衆議院解散、総選挙を実施の上、国民の信認を得た体制を確立し、諸問題を解決することが急務であろう。

日本は今、歴史的分岐点にあるように思う。党利党略や個人の利害を超え、一人一人の政治家が、既述の秘密交渉に携わった人物と同じように成すべきことを真剣に考え、それを成し遂げる「覚悟」を持って国民と語り合って欲しい。その覚悟や信念の重さが国民に伝わった時、日本が「変わる」のではないだろうか。

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