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11月2日付の日本経済新聞で、ベネッセが3月下旬に行ったネット調査結果が紹介されていた(回答者1万5450人)。それによると、親の年収は、考えられている以上に子供の塾やスポーツ教室にかける額に影響している。同調査では、年収800万円以上の世帯の子どもの教育活動支出は、月平均2万6700円であるのに対し、400万円未満では8700円にとどまっている。つまり、年収が2倍違えば、教育活動支出はおよそ3倍の差となっている。

社会学では、生存さえ危うい状況の「絶対的貧困」と、属する社会の多くの人々が享受している「普通」の行為や習慣を行なうことができない「相対的貧困」を分けている。日本社会では、「享受できている普通」(当たり前)の程度は他国に比して高い。しかし、その当たり前を享受できない子どもが意外にも多い。OECDが2008年にOECD諸国(30カ国)の「子どもの貧困率」(相対的貧困率)を発表しているが、日本は12番目に子どもの貧困率が高く、もともと教育格差が大きい国であることが分かる。

ベネッセの調査結果は、現在の世界経済の低迷により教育費を抑制する層が拡大していることを示しているのかもしれない。私立高校で経済的理由から授業料滞納者が増加しているとの報道も、そのことを物語っているようだ。

少子化対策に加え、こうした状況を踏まえれば、「子育て支援」という政策は妥当であるように見える。しかし、ここで見落としてはならない点は、子どものいる世帯への一律支援では教育格差が広がる可能性もあるということである。生活が厳しい世帯では支援金が子どもの教育活動支出に回らない一方、高い年収を得ている世帯では一層教育活動支出を増やすことになることが想像できるからである。

ある政策がこうしたリスクをはらんでいると考えられる場合、そうした「ばら撒き案」は退けて、税制度や福祉政策により調整をとるのが「普通」の政権ではないだろうか。今後実施される見通しの「子育て支援」は、自民党・公明党政権が行った経済対策と同様に消費拡大をも目的としているようだ。教育支援と経済対策という2つの目的を持つ政策だとすれば、「一兎をも得ず」の懸念もある。教育支援は日本の未来への投資でもある。国民全体が納得する制度面での整理が必要だと考えるのは私だけだろうか。

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