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政権交代と日本人

今年の流行語大賞に「政権交代」が選ばれた。戦後、この政権交代を長きにわたり行わなかったことの“付け”が多方面で出てきている。

国家の財政を再建するには、まず国会や行政面での大幅削減を行い、その上で増税をはじめとする収入拡大策を実施することが基本であることは多くの論文でも述べられている。現政権も認識しているからこそ事業仕分けを行ったのだろう。
では、なぜ、違憲と認定された参議院選挙の定数の見直しと議員削減が来夏の選挙後に先送りされるのだろうか。必要であれば、2年続けてでも行うべきであるし、周知徹底期間が短いということは決してない。
また、なぜ、公務員制度改革推進本部(本部長は鳩山首相)が一度も開かれず、給与法改正などに関する法案を次期通常国会に提出できなくなったのだろうか。

別の面から見てみよう。日本経済の回復のためには内需拡大政策だけでは無理であり、世界市場で売れるものをつくっていかねばならないことも多くの論文で指摘されている。そのことは現在の株価の回復基調は中国への輸出増が要因であることを見ても分かる。
そのためには、各国との外交関係を良好なものにしておくことが必要であることは論を待たない。
では、なぜ、日米のメディアや識者たちが両国の「信頼関係」が崩れてきていると警鐘を鳴らしているにもかかわらず、内向きの政治に終始しているのだろうか。さらに言えば、その代わりに前政権時代よりも関係が大いに前進した国があるわけでもなさそうだ。

自民党体制が続いてきたため、新政権は国家運営が不慣れであり、まずこれまでの体制の見直しに努めていることは見て取れる。それ故、新しい指針を打ち出すまでに至っておらず、国内外の諸問題について日本の先行きを不透明にしている。
そう考えるうちに、高校時代の記憶が甦ってきた。ちょうど大学紛争真っ盛りで、「批判」という言葉のもとでさまざまな秩序が壊されていくのを見ていた。そして、その後新たな秩序が構築されることはなく、それ以前の体制の延長へとゆるやかに社会が戻っていった。
壊すことは容易だが、創ることは難しい。結局、日本には理をもって新たな秩序構築のための政策を創造するよりも、「情」による人間関係の中で政策を実施していくという特性があるのではないだろうか。その方が選挙には強いのである。

今の世界空間に生きる者として、こうした日本という空間の特性を護るのみで良しとするのか、外の世界との連帯意識を広げていくのかの岐路であるように思う。世界空間では、政権運営に不慣れであるからという言い訳は通じない、厳しい現実にさらされる。
米国のメディアが鳩山政権を、反米的と評価され、韓国経済を悪化させた盧武鉉政権に例えて報じ始めた。中国などアジア諸国や欧州、世界のメディアがその報道に倣う蓋然性は少なくない。グローバル・メディアの評価が日本の明日を決めることもある。
そのことを日本人は十分理解しておくべきだろう。

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