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日本の2010年度予算の概算要求は過去最大の95兆円に膨らんでいた。鳩山政権はこの額から3兆円超削減することを目標としていた。しかし、12月12日付日本経済新聞によると、6900億円の削減にとどまることになったようだ。

かつて、イギリスで長期に及んだ保守党から労働党へと政権が交代し、ブレア政権が誕生した時、社会学者ギデンズらの助言をもとに保守党とも労働党とも異なる第三の道を歩み始めた。そのことがイメージにあるせいか、私にはこのところの日本の政治情勢がどうも腑に落ちない動きに見える。

米国を代表する歴史学者ジョン・ルイス・ギャディス博士(イェール大学)が述べているが、多くの先進諸国では政権が変わっても「外交の大戦略」の継承性は高い。
どの国も常に、地政学的観点をベースに国際情勢の変化を国益とすり合わせて政策立案をするからである。この継承してきた枠組みを変えるのは、東西を隔てていたベルリンの壁の崩壊のような歴史的転換点を迎えたときである。

今日の日本の外交戦略は、日本を取り巻く国際情勢が大きく転換したとの認識の上に立って練り直されたものなのだろうか。
なぜ、大量に国会議員が中国を訪問し胡主席と握手をせねばならなかったのか。なぜ、鳩山首相がオバマ大統領に会談を申し込んでも実現しないのか。そして、極めつけは、なぜ、ドバイ・ショックが日本の概算要求の目標(3兆円の削減)を達成できない理由になっているのだろうか。

確かにドバイに進出した日本企業の中で大型プロジェクトの代金が未回収となっているものがある。政府の集計でもその額が6600億円に上ると公表された。また、金融機関も1000億円近い損失が出るのではないかとの推測が流れている。
しかし、地下鉄「ドバイ・メトロ」の総事業費が36億ドルから100億ドルにふくらみ、その追加工事費が未払いとなっているのは今回のショックとは別の理由であり、そのことは昨年の夏から話題となっていた。世界金融危機(リーマン・ショック)が、“今”ドバイを襲ったわけでもない。

外交だけでなく、海外情勢に対する分析や対応の甘さが経営戦略にも反映していることの現われだといえそうだ。国内の公共事業が減少する中で、外国に活路を見出そうとした産業戦略の失敗とも言える。

ドバイ・ショックを引き起こしたドバイワールドが経営で行き詰まったのは、世界金融危機への対応におけるリストラの不徹底、甘い事業の見直しという経営戦略の失敗が要因である。つまり、何を継続し、何を縮小するかの見極めに失敗したということである。

今の日本は、薄暮だからといって足元だけを見て歩いているようである。頭を上げて、進むべき方向をしっかり見極めねば、余計に危ういのではないだろうか。

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