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米国のオバマ大統領が就任して1ヶ月が過ぎた。これまでのところ、経済対策法案を上下両院で可決させ、合格点を取ったとの評価がある反面、人事面では閣僚ポスト3つが空席のままであり、次官、次官補の議会承認が大幅に遅れている点を不安視する声もある。外交面では、オバマ氏自身がカナダを訪問、バイデン副大統領がNATO首脳会議に出席、クリントン国務長官がアジア歴訪を果たしており、非常に手堅い政策をとっているといえる。
注目される点は、2月17日にアフガニスタンへの1万7000人の増派を正式決定したことである。先にオバマ大統領は、就任後の最初のインタビューをアラブの衛星テレビのアルアラビーヤと行い、米国はイスラム教徒に対する敵意はないと語った。こうした一連の政策は、ソフト・パワーとハード・パワーのバランスをとった“スマート・パワー”を駆使した手法だといえる。
ただ、2月18日、アフガニスタン駐留米軍のマキャナン司令官が厳しい戦いとなると述べている。今回の増派では、5月に海兵隊8000人を、7月までに陸軍戦闘部隊4000人、支援部隊5000人を派兵することになっているが、この夏までの増派による作戦の成果いかんでは、更なる増派も検討されるとの報道もあり、ハード・パワーを使うことの難しさを示している。
また、アフガン問題では、こうした軍事行動と合わせて、貧困問題、政府の統治能力強化といった支援活動も重要である。現在、一時戦闘が低下した事で国外にいた難民が帰国しているが、旱魃と重なり、生活苦のあまり武装集団に参加するという状況も見られている。
国際社会では、オバマ大統領の増派決定を機にアフガニスタン支援を再検討する必要が出てきている。
ここでの“テロとの戦い”は、単にイスラム過激派武装グループの掃討ではなく、国際秩序の再構築と多国間協力の実現という大きな課題への取り組みでもある。日本はこの点について十分議論したうえで、総理の訪米と合わせて対応策を策定しているだろうか。30年近く戦闘が続く地での平和定着の難しさに、日本も国際社会とともに改めて直面する年となるのだろうか。

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