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昨年のインドネシアに続き、5月10日、フィリピンからも経済連携協定(EPA)に基づく経済交流として、看護師、介護福祉士候補の人材が来日した。現在、こうした外国人受け入れの状況はどのようなものだろうか。以下に少し整理しておきたい。

受け入れる雇用市場の医療、介護分野は、日本政府の2025年の将来予想では、少子高齢化により、現時点に比して、看護分野で1.6倍、介護分野で2.2倍の人材が必要になると分析されている。この人数を、現在の失業者も含めた日本人が埋めることができるとは考えられない。

それというのも、この分野は資格が重視されながらも、十分な収入を得ることができ難い面があるからである。まず、この点の改善が必要であり、現在国会などでも多様な検討がなされている。また、重労働であり、経験を積み重ねることで収入が増加するとの将来見通しも立ち難いとの認識もある。

したがって、当面、この分野は外国人労働者によって補ってもらおうと政府は考えているのだろう。しかし、その「当面」という考えが、本来あるべき福祉政策を歪める結果になるのではないかと危惧される。

例えば、第1回で入国したインドネシアからの看護師候補者の1ヶ月の給与は17万円である。日本政府は、このような看護師、介護福祉士候補を2年間でインドネシアから1000人(うち昨年208人)、フィリピンから1000人(今回280人)受け入れる計画である。問題は、この受け入れた候補者たちの多くが研修期間を終えた後、日本が実施する試験に合格できないのではないかとの懸念があることである。つまり、彼らは、ゲスト・ワーカーとして看護師候補であれば3年間、介護福祉士候補であれば4年間働き、帰国するという結果になるのではないかと指摘されているのである。

このことによって、第1に、医療介護分野において日本人を含めた安定した人材確保ができない、第2に、インドネシアやフィリピンから受け入れた候補者たちが、厳しい労働環境の中で反日的感情を持つようになるなど、懸念される結果となる可能性がある。

一方、この外国人労働者の受け入れ制度自体にも問題点がある。第1は、日本政府は渡航費に加えて日本語研修費、授業料(6ヶ月間)、居住費用(6ヶ月間)を助成するが、半年という期間では、日本人を対象とする試験と同じ日本語による国家試験に合格する事は不可能に近いといってよいのではないだろうか。また、研修後、雇用した機関で午前中に日本語学習をし、午後に働いて給与を貰うという生活を送ること事になっているが、日本語の壁は高く、やはり試験に合格することはかなり難しいだろうとの指摘もある。

また、日本人にとっては、月額17万円の給与は決して高いとはいえないが、インドネシア、フィリピンの人々は、母国に4〜5万円以上の仕送りをしていると聞く。この仕送りができるだけでも良いと考えている候補者もおり、資格を取る熱意はあまり高まらないといわれている。

少子高齢化社会を迎えている日本は、さまざまな分野の人材を世界に広く求める必要に迫られている。例えば、「留学生30万人受け入れ計画」もその一環といえる。しかし、この留学生に関する計画と、看護師、介護福祉士候補受け入れの「経済交流」に一貫性がないのも現実である。さらに、日本政府は、外国人受け入れ政策を打ち出すだけで、実施は地方行政や企業、大学に丸投げしている状況であると指摘されている。

果たして、日本政府は将来の日本の教育や医療のあり方について、十分に検討し、政策を練っているのだろうか。例えば、今回の補正予算において、外国人看護師、介護福祉士の候補者の研修助成を6ヶ月から1年に引き伸ばすことで、国家試験の合格者は大きく増えるだろう。また、国公立大学を中心に、留学生寮を充実させるだけで、留学生30万人受け入れ計画の実現も進むのではないだろうか。現場を見ない政治の問題点は、こうしたところにも現れている。

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