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7月18日、インドネシア治安当局はジャカルタで起きた外資系高級ホテルでの爆弾テロ事件にジェマア・イスラミヤ(JI)が関与していたと発表した(なお、アルジャジーラ・テレビはJIメンバーがこれを否定と報道)。また、同治安当局は、犯行にはJIの幹部で2002年のバリ島での自動車爆弾テロ(死者202人)の中心人物と目されているヌルディン・トップ容疑者(マレーシア国籍)が関係しているとの見解を示した。この事件に対し、国連安保理は17日、自爆テロを非難する議長声明を全会一致で採択し、国際テロに対する国際社会の協調姿勢を表明した。 ここで注目したいのは、第1はテロが外資系高級ホテルを標的に行われた点、第2は犯行がインドネシアでユドヨノ氏が大統領に再選された(7月8日)直後に実施された点である。 第1の点を見る観点としては、過去にエジプトで観光客を標的とするテロ事件が、政府の外貨収入に痛手を与え、欧米的文化の流入の阻止にある程度の成果を上げたことが参考になるだろう。このエジプトでの事件以降、こうした戦術は、バリ島の事件もそうであるがイスラム過激派武装勢力の常套手段の1つとなっている。 第2の点に関しては、事件後、ユドヨノ大統領がJIは政権への革命を計画していた旨の発言をしたが、単に同政権転覆を目指したものではないだろう。一般的に、イスラム過激派勢力の最終的活動目的は、イスラム政権の樹立である。したがって、テロを実行した組織はたとえユドヨノ政権を打倒しても、この最終目的を達成するまでテロ活動を継続する可能性が高い。 イスラム過激派武装勢力の自爆テロというと、一般に中東地域を想起する傾向があるのではないだろうか。しかし、イスラムは古くから東南アジア諸国に広まっており、インドネシアは1カ国としては最大のイスラム教徒を有している。東南アジアでのイスラム運動の活発化は、この地域からの移民の受け入れや同地域への企業進出の障害となる可能性がある。今後、日本はアジアのイスラム動向にこれまで以上に関心を持つ必要があるといえるだろう。
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2009年07月19日
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