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7月22日、イラクのマリキ首相がワシントンを訪問し、オバマ米大統領と会談を持った。この両首脳会談での話題の1つは、国連の対イラク経済制裁の解除についてであった。イラクはサッダーム政権転覆後6年を経た現在でも石油収入の5%を賠償金としてクウェートに支払っており、これが新生イラクにとっての重荷の1つとなっている。

イラクに対する経済制裁は、国連安保理で、国連憲章39条の「平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為の存在」が認定され、クウェートの自衛権の行使(憲章第51条)に、国連の権威に基づく加盟国による制裁が加えられたものである。したがって、この制裁を解除するには国連安保理で新たな決議が必要となる。

今回の会談では、イラクからの米軍撤退を前に、イラク側が、1990年の湾岸危機から91年の湾岸戦争の安保理決議を執行させる手続きを進めることを要請したと見られる。このことからも、2003年3月のイラクへの米英の国際介入は、湾岸戦争後のイラクの国連主導の復興プロセスと関連があったことが分かるだろう。

対イラク経済制裁は、イラクが湾岸戦争後もサッダーム政権が安保理決議を履行せず、国際社会の脅威であり続けたため、継続されていた。そして今日まで解除されずにいる。2003年3月の米英による対イラク武力行使は、このサッダーム政権の脅威を取り除くためとされており、その法的根拠の1つを湾岸戦争に関する安保理決議678号(武力容認決議)とした。この考え方については異論も多いが、戦争の終結という観点から見ると、米英の考え方が歴史的な評価に耐えられる可能性もある。

経済制裁は安保理で一度採択されると、決議の執行手続きを踏まない限り、履行が一時停止されても、後日、履行再開となることもある。現在、このシステムを恐れている国家としては北朝鮮とイランの両国を挙げることができる。両国は経済制裁の“事実上の”解除は可能でも、正式解除は難しいと認識している。そのため両国は外交交渉において、核開発停止のための条件として国連決議での経済制裁解除を要求しているのではないだろうか。

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