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64回目の8月6日

8月6日8時15分、広島で平和の鐘が響き、多くの人々が黙祷を捧げた。今年、広島の平和記念公園での「原爆死没者慰霊式・平和記念式」には過去最多の59カ国の代表が参列した。それは、オバマ米大統領が「核兵器なき世界」を提唱したことで、世界の市民社会に広がりつつある核廃絶のムードが影響しているのかもしれない。

しかし現実には、北朝鮮やイランなどでの核開発の進展や、パキスタンの核兵器開発技術の拡散など核廃絶の道のりは厳しい。また、被爆国日本でも、8月6日が何の日であるのか、被爆地がどこであったのかさえ答えられない大学生がいるという現実がある。

2020年までの核兵器廃絶を目指す「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の採択は重要である。同時に、「8月6日8時15分」は人類史上初の原爆投下の日であることを世界の人々の心にしっかりと刻んでもらうことも重要ではないかと考える。具体的には、世界各地の8月6日8時15分に平和を願う鐘を鳴らし、1分間の黙祷を捧げる市民運動を起こすのである。この日のこの時刻を平和への願いの日として、地球村に平和の鐘のリレーを鳴り響かせるのである。それが、人間が人間に対し原爆という恐ろしい大量破壊兵器を実際に使用してしまったという事実を風化させないための1つの方法のように思う。

日本が米国の「核の傘」に入るか入らないかの議論より、多くの日本人がインターネットなどを通じて、世界の人々に核兵器の恐ろしさと廃絶の必要性をいかに伝えるかを議論することの方が世界平和に俳味があるように思う。また、世界に核廃絶を訴える役目を日本政府や広島、長崎の市長が中心となって担うだけでは、市民運動の波は大きくならないのではないだろうか。

被爆直後の広島、長崎の惨状は人類史上類を見ないものである。その実態は世界的に十分知られていない。その日から64年を経て、遠い出来事として世界の人々の記憶から忘れ去られようとしているようにも思う。日本人ひとりひとりが世界で唯一の被爆国に生きる者として、被爆者の方々の話にもっと耳を傾け、心で受け止め、自分の言葉で世界の人々に伝えていかねばならないのではないだろうか。そして世界のさまざまな人々と公論を重ねることを通し、1945年8月6日8時15分という人類史に刻まれた出来事の意味について、世界の人々とともにわれわれ自身の理解もまた深まっていくように思う。

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