|
米国の前ブッシュ政権の外交は、ネオコンの影響が強調されて語られることが多かった。また、現政権が前政権の政策について下す評価は、客観性が乏しいように思う。 政策評価は、後世の歴史家や政治学者に委ねることが賢明な場合が多く見られる。 例えば、ブッシュ政権下ではチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官のグループとパウエル国務長官との確執が政策立案上問題になったとの見方がある。特に、9.11米同時多発テロ後のアフガニスタンの米軍の展開について、国務省と国防省の間に主導権争いがあったことは広く知られており、ブッシュ政権に対する批判の要素にもなっている。 しかし、このような政策立案をめぐる対立は、ブッシュ政権においてのみ起きていたわけではなく、オバマ政権内においても起きている。 エマヌエル首席補佐官とアクセルロッド大統領顧問との対立が表面化しているといわれている。この内部対立が顕著になったのは、「オバマの失われた1年」との評価が世論調査をベースにマスメディアで話題になってからである。 中間選挙を前に、早くも政権内で選挙の敗北の責任者探しが行われている感がある。 冷静になって、ブッシュ前政権とオバマ現政権を見ると、世界で時空が圧縮しており、国際協調が昔より複雑になり、国内の利益集団も多様化していることに鑑みれば、両政権ともそれなりの実績を上げているといえるだろう。 例えば、景気回復、金融規制、エネルギー問題などの政策についての効果は、一国では限界があるにもかかわらず、オバマ政権はこれまでのところ、着実に成果を上げつつある。しかし、中間選挙を前に医療保険改革に取り組んでいるため、それらの成果が霞んでしまっている。 同様に、ブッシュ政権で2001年9月11日以降はじめられた反テロ戦争も、中間選挙、大統領選挙を経る中で色褪せていった。 民意を確認する選挙によって、国家の基本戦略が揺らぐ様子が見えてくる。 日本でも、参議院選挙を前に与党の政策が公務員改革、財政再建が揺らいでいる。
政策は長期的視野でその社会空間の特性を踏まえて行われる必要があるが、選挙の際に顕著に現れるその特性が、長期的政策の遂行を妨げ歪めることもしばしばある。 この揺らぎの度合いは国民性を反映しているのではないだろうか。 |

- >
- 政治
- >
- 政界と政治活動
- >
- その他政界と政治活動



