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3月16日に「子ども手当て法案」が衆議院本会議で可決した。
最大の問題点は恒久財源がない中で、国や地方の支出が拡大していることである。このつけ(赤字国債)は次世代が払うことになる公算が大きい(2010年度は44兆円の国債を発行)。子ども手当ての予算額は本年度が2兆2500億円で、2011年度以降は4兆9600億円に跳ね上がる。来年度中に予算を見直すことのみでこの約5兆円を捻出することはかなり難しく、税制などいくつかの大きな制度変更の検討を余儀なくされるだろう。それには、短期間で多面的な影響を吟味しなければならない。果たして、そうした難題を短期間に解くことが出来るだろうか。2011年度分も取り敢えず国債発行を積み増して、ということになりはしないだろうか。
子ども手当ては、他にも問題を抱えている。大和総合研究所がこの手当の家計への影響について試算したところ、年収が高い家庭ほど恩恵があるという結果と成ったと報じられている。そうなると、推定年収がおよそ2200万円(月給約130万円、ボーナス年間約635万円)といわれる日本の国会議員(ちなみに米国はおよそ1700万円、イギリスはおよそ970万円と見られる)と、年収300万円以下の家庭が一律の子ども手当てがもらえることで良いのかと疑問を持つ人もいるだろう。
また、養護施設で育てられている子どもは対象外であることも問題といえるだろう。
さらに、この手当ては国際感覚に欠けているといわれる問題もある。外国で頑張って暮らしている日本人家族や、子どもを日本に残して両親が外国で働いている日本人家族は対象外となるのである。一方、子どもを母国に残し、日本で頑張っている外国人世帯(子どもの存在を証明する母国の書類があれば良い)には、子どもの人数分の手当が支給される。このため、外国人受給者の数を政府は十分把握できずにいる。これは、この手当てが「子どもを育てる親への支援」であり、①国籍を問わず、②日本国内に住み、子どもの面倒を見て生計を共にしている親を対象としているためである。
一番の問題点は、これらの制度設計上の問題点について、委員会での質問や多くのメディアで指摘されているにもかかわらず、そうした問題点の修正案さえ参議院に提出することなく来年度に先送りし、とにかく年度内成立を目指していることである。
戦後、日本の経済成長を支えてきた製造業では、地道な改善を重ね、世界一とまでいわれた「ものづくり」を誇ってきた。鳩山政権も自ら制度づくりの未熟さを認め、改善を重ねる勇気を持ってほしい。
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