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5月10日、「小さな総選挙」といわれ、世界が注目していたドイツ西部のノルトラン・ウェストファーレン州の週選挙が実施された。その結果、キリスト教民主同盟と自由民主党の州連立政権(連邦政府も同じ党の連立)が敗れた。
これにより、同州で多数を取った社会民主党と緑の党の連合が、今後、各州で誕生する可能性が高くなった。
その影響はドイツ国内に留まらず、メルケル首相の立場が弱まり、ドイツがギリシャ救済に大きな役割を果たすことが難しくなるだろうと見られている。そうなると、ギリシャ危機に続きポルトガル、イタリア、スペインなども危機に見舞われるだろうとの分析も聞かれ始めている。
また、ギリシャは1998年のロシア危機のように破綻に追い込まれ、ギリシャ国債は事実上、紙くずとなるとの厳しい分析もある。
市場の圧力があり、EUは5月10日、①7500億ユーロ(約90兆円)の基金創設、②各国中央銀行間の協調行動、③欧州中央銀行(ECB)による国債購入という救済策を発表した。
こうした動きについて、5月11日付ルモンドは、ユーロ圏諸国は負債の穴埋めのために別の借金をした旨の記事を掲載した。またECBの国債購入についても、市場のECBへの信頼を低下させることにつながりかねないと指摘している。
今回行われた緊急融資枠の設定などの対応により、短期的には危機を回避できると思われる。しかし、南欧諸国の債務返済能力の改善には結びつかないだろう。
こうして、ユーロ圏諸国に金融不安が残ることになる。
この不安は、金融サービスで経済を伸ばしてきたイギリスに飛び火する可能性もある。
そうなった場合、最悪のシナリオとして、世界金融危機の第2幕が開くことも考えられる。
イギリスで歴史的な財政赤字(対国内総生産比11.8%)の改善を目的に、保守党と自由民主党との連立が誕生したのは、こうした危機意識があることも一因ではないだろうか。
ギリシャの経済危機が世界にリスクを拡散させる中、ユーロ通貨同盟の構造的欠陥(連帯性の弱さ、競争力の格差など)が露呈された。それがEU統合さえ色あせさせる恐れがある。
それにしても、イギリスの比ではない財政赤字を抱える日本の政府や国民はどの程度の危機意識を抱いているのだろう。少なくとも、その削減のためには、公務員改革にも厳しい姿勢で臨むほかないような気がするのだが。
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2010年05月13日
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