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参議院選挙が終わって

711日の第22回参議院選挙で民主党が大敗し、自民党とみんなの党が大幅に議席を増やした。これにより、民主党が多数を占める衆議院で議案の可決ができたとしても、参議院で否決される可能性が高くなったため、菅政権はより難しい国会運営を迫られることになった。
 
それを見越してか、フィナンシャル・タイムズ(電子版)は、「選挙の敗北で財政赤字削減の取り組みが一段と遅れる恐れがある」と報じている。また、ロサンゼルス・タイムズ(電子版)も同様に、「国家の課題に対処する能力が低下する」と指摘している。
日本人の中にも、このような欧米メディアの指摘と同様の懸念を抱いている人は多いだろう。
 
このような指摘が出てくる原因は何だろうか。
それは、今回の選挙においても、財政再建、拡大する福祉費への対策、普天間問題、政治と金の問題などの解決策について、数値化して具体的に示すことができていないからである。
こう書くと、各政党関係者から「わが党のマニフェストに書いてある」とか、演説で説明していると反論されるかもしれない。
しかし、果たしてそれは政策形成における合理性、実証性が高いものだろうか。根拠となる情報を開示していただろうか。そして、市民への周知は十分だったと胸を張ることができるだろうか。
 
例えば、以前本ブログでも書いたが、財政問題について2月に財務省が公表した3年後の財政赤字見通しは553000億円である(本年度443000億円)。そして、今後3年間、財政問題を先送りすると、消費税にして約4%以上の値上げを必要とする状況になる(消費税1%で22000億円の税収として計算)。
今回の選挙において、この数値について、有権者はどれだけ認識、意識していただろうか。
 
日本が財政再建について手続き論に終始していることは、海外の政治指導者やビジネスマンの目にどのように映っているだろうか。その結果、日本への投資や関心が薄れることへの懸念はないだろうか。
 
選挙が終わった今、国会議員がすべきことは、選挙への悪影響を恐れて語れなかったり、ぶれたりした財政再建問題について市民に語ることである。
特に、各省ベースでの来年度の予算編成期である現在、必要不可欠なことである。
少なくとも民主党政権は、来年度予算編成の正当性を得るために、年末まで十分に時間をかけて今後の政策に関する説明責任を果たす必要がある。それは、今回の選挙結果によって、有権者は民主党のこの9ヶ月間の政策実施および現在のマニフェストに対して、レッドに近いイエローカードを出したと言えるからである。
そして、サッカーならもう1枚イエローカードが出るまで余裕があるところだが、政治は国民生活に直結している。したがって、来年度予算の成立をもって衆議院を解散することを与野党で合意した上で、来年1月からの通常国会で十分議論を尽くし、民意の評価を受けるべきであろう。
その際の衆議院選挙では、「日本再生政策」を争点として、各党が実現可能な政策を公表、公議することが望まれる。
 
こうしたシナリオでも、来年4月の解散まで8ヶ月、新政権が新生日本の予算を執行できるまでにはそれから1年、その効果が出てくるまでに数年という時間がかかる。
先のG20首脳会議において、参加国は2013年までに財政赤字を半減することで合意した。幸か不幸か、このG20の合意に日本は縛られることを免れている。
しかし、そろそろ日本国民も「くれくれ病」から脱して、一人ひとりが自立性を高め、地方主権へと大きく舵を切るべき時である。日本再生のためのタイムリミットは近いのではないだろうか。

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