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北東アジア情勢と日本

入院、手術、療養の間、長らくブログをお休みいたしましたが、術後の経過も順調ですので、少しずつブログの執筆を再開します。またお読みいただければ幸いです。

さて、尖閣諸島沖での海上保安庁巡視船と中国漁船との衝突事件以来続く日中関係の対立、そして44年ぶりに開かれた北朝鮮の労働党代表者会、さらに中ロ首脳会談と、北東アジア情勢は大きく動いている。
本日は、この中で、メディアがあまり大きく取り上げなかった3つの気になる点について指摘することにする。

第1は、現在、民意の形成が容易に図られるインターネット時代にあっては、複雑な係わり合いを持ってきた歴史を有する国家間の小さなトラブルが、外交紛争に発展する蓋然性が高いという点である。
尖閣諸島での衝突事件は、日中両国の政治家が考えている以上に、日本社会と中国社会に合理的思考では打ち消せない「反感」という感情を育てつつある。このため、「戦略的互恵関係」という言葉で両国関係の回復を図ることが難しい状況になっている。
したがって、日本・ロシア関係のレベルを参考に、日中関係も領有権や経済関係の新たなあり方を模索しても良いのではないだろうか。そして、新興市場諸国やアジア諸国において、民主主義や個人の自由といった価値観を共有でき、内需主導の経済成長戦略に努める国々との関係強化を思考すべきではないだろうか。

第2は、9月17日のニューヨークの日本総領事館前での反日デモで、中華民国と中華人民共和国の2つの旗が掲げられ、「日本は釣魚島から出て行け」との声が上がったことである。その背景には、中台の間で経済交流の深化にともなう雪解けが進んでいることがある。このことに鑑みれば、今回の問題は、米国をはじめ華僑の人々の間に、そのネットワークを通じて世界各地で反日感情が広がる恐れがある。それを防ぐためにも、一日も早く日本の主張を裏付ける衝突時のビデオをはじめ科学的証拠を国際社会に公開することが望まれる。

第3は、北朝鮮と中国との関係である。北朝鮮では、金日成から金正日へと政治指導者が世襲され、現在、さらに金ジョンウン(金正日の三男)への継承体制が構築されている。この北朝鮮を支えているのは中国である。しかし、中国は北朝鮮支援の条件として、改革・開放と非核化を挙げており、核兵器の開発、維持を図る北朝鮮とは政策の目指すところが少しずれているように見える。
北朝鮮が政権移行期に入っている現在、懸念されるのは、若き金ジョンウンが軍や党の「長老」グループから評価を得るために、核兵器開発や拡散に注力することである。これを押えるには、中国が北朝鮮に対し、先述の支援の条件を強く提示する必要があるだろう。それには、日韓米の北東アジアへの危機認識と情報の共有が図られる必要があるだろう。

以上、北東アジア地域の情勢について少し観点を変えてみてみた。
こうして見ると、今日の日本の外交政策立案では、一層の情報収集とより広い視野での分析がこれまで以上に求められていることが分かるだろう。

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