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ドイツの移民問題

およそ400万人のイスラム教徒が暮らしているドイツで、「多文化主義」について激しい論争が起きている。この論争は、8月にドイツ連銀のザラツィン理事が移民の過激な流入によってドイツが破壊されている、との意見を示したことがきっかけであった。

欧州では、統合化や経済危機の中、民族主義や外国人排斥の動きが高まっており、極右勢力の台頭も見られている。ドイツもその例外ではなく。フリードリヒ・エーベルト財団が実施した世論調査では、約60%のドイツ人が、イスラムの宗教行事を制限することに賛同している。
10月16日、メルケル首相はこのような中で、ドイツは多文化主義社会を築くことに「完全に失敗した」と語り、ドイツ社会の人々に対し、今日の移民問題の議論を「好き」「嫌い」という問題レベルではなく、政策評価の観点での公議のレベルに引き上げることを試みるよう呼びかけた。

ドイツでは、移民を「ゲストワーカー」として取り扱い、そのマンパワーを戦後復興の原動力とした経緯がある。
その過程で、移民者の中に、ドイツ社会の価値観を受け入れようとせず、母国の生活スタイル(宗教、食べ物、服装など)を変えず、ドイツ語を学ぶことさえしない者が出てきている。このため、移民が多く暮らしている一定の地域がドイツ社会から分離してしまったような状況も生まれている。

また一方で、宗教心が薄れたドイツの市民の中に、「神を信じる」という行為自体に批判的な感情を抱いている者がいることも、移民の問題の解決を難しくしている要因となっている。
さらに、もともとは極右勢力の積極的支持者ではないが、失業率の高まりや福祉負担の格差の問題などから「移民嫌い」となり、極右に同調を示す市民もいる。
スウェーデンやオランダ、ベルギーなどでは、このような市民を取り込もうとする政党が生まれており、移民問題が政策評価の対象ではなく、政治活動に利用される例も見られている。

このところドイツはEUの中でも順調に成長を遂げており、労働力が不足気味である。この時期をとらえ、滞在許可や労働許可などの制度に加え、ドイツ語教育のあり方を見直し、ドイツ市民と移民が相互に価値観の違いを理解し、「協働」できるような社会をつくるべく、政策が改正されることが望まれる。
この点から、先のメルケル首相の発言は勇気あるものだと言えそうだ。

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