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10月1日、スウェーデンがテロ警戒レベルを1段引き上げたことが報じられた。スウェーデン保安警察(SAPO)は、同国内の特定グループの活動を分析し、自国がテロの標的にされていると判断したとのことである。
多くの日本人にとって、2001年9月11日の米同時多発テロから9年が過ぎた今、テロ攻撃の脅威に関する意識は薄れているのではないだろうか。
しかし、今回のスウェーデンの対応に見るように、イスラム過激派組織のテロが、いつ、どこで、どのような手段で起きるのかについて、今でも各国の情報機関は神経を尖らせている。
今回、治安体勢を強化したのはスウェーデンだけではない。米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギーなども警戒を強めている。
9月29日にドイルのテロ対策関係当局が、7月にアフガニスタンで身柄を拘束したハンブルク出身のアフガニスタン系ドイツ人からテロ計画の自供が取れた。ドイツのテロ対策関係当局によると、テロ計画は数十人が関係し、複数の国で同時攻撃がなされるというもので、アルカイダの指導者であるオサマ・ビンラディンがその計画を承認したとしている。
10月3日、米国務省は欧州に渡航・滞在する米国人にテロに警戒するようにとの勧告を出した(公共交通機関、空港、観光地での警戒を呼びかける内容)。また、各地の米軍施設にも警戒態勢を取らせた。
このような中で、10月1日と2日に、アルカイダ系のウェブサイトにオサマ・ビンラディンの音声メッセージが載せられた。内容はパキスタンの洪水を例に、イスラムの同胞を助ける必要があると呼びかけたものである。テロへの直接の言及はない。
しかし、このようなメッセージにテロの作戦指示の暗号が隠されていることもあり得る。
10月3日、CNNは英国治安情報関係の指摘として、最近、テロの危険性が高まった要因にフランス上院議会で公共の場でのブルカ着用禁止法案が可決したことが挙げられると紹介した。このブルカ禁止はオランダでも法案成立の見通しで、欧州諸国での広がりを予見させるものとなっている。
ドイツのテロ対策関係当局によると、9.11事件以降、同国関係者でパキスタンとアフガニスタンの国境地域に渡り、イスラム過激派組織で訓練を受けたものは約200名に上っているという。欧州諸国でのイスラム移民の現状や、アフガニスタンでのNATO軍の動向などを考えると、同諸国がテロ攻撃を受けるリスクが高まる傾向にあるのは確かであろう。
「多文化共生」、「異文化理解」という学術用語が机上の言葉となりつつあることが懸念される。
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