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最近の日本のメディアの世論調査では、民主党政権の外交政策に対する評価は厳しい。例えば、NHKの調査(11月5日から3日間、対象者1627人)では、尖閣諸島や北方領土をめぐる外交問題への政府の対応について、「あまり評価しない」が44%、「全く評価しない」が38%となっている。つまり、8割以上の人々が対応のまずさを感じている。
今般の中国とロシアの対日強硬姿勢の背景にある、普天間基地移設問題から生じた日米関係の軋みとも併せて、民主党政権の外交は多くの問題を生じさせている。
こうした状況に鑑み、野党、評論家、学者などから「民主党には外交の長期戦略がない」と指摘するようになっている。
国民国家のあり方は、それぞれに地政学的条件や、歴史、国民性など固有の諸条件に特徴づけられている。そうした特性を背景に、どの国民国家にも、そう簡単に変わることがない外交の基本戦略が存在するのではないだろうか。例え、首相が1年ごとに変わろうとも、人間の背骨のように国を支える大戦略が日本にもあるのではないだろうか。
「核兵器廃絶に向けた努力」もその一つだろう。また「恒久平和の追及」もそうだろう。それは、政府だけが行えばよいテーマではないだろう。つまり、この国の特性を国民一人一人が認識してこそ、外交の基本戦略や長期ビジョンが有効に機能するのではないだろうか。
最近の国の領域に関する問題は、家庭や学校教育をはじめ日本社会が「この国のあり方」について公論することを怠ってきた結果ではないかと思う。
戦後65年を経た今日、ドイツと比較して、日本は「戦争責任」や「歴史認識」が周辺国から問われることが多い。それは、周辺国で反日教育が行われていることだけが要因ではないだろう。
重苦しい情勢が日本を取り巻いている今こそ、政府の政策批判に終始せず、国民一人一人が、この国の将来のあり方を考え、周辺諸国の人々と公論しあう場を設けたり、何でもよいから協働するなど、行動を起してみてはどうだろう。
外交週間ともいえる今週は、その良い機会になるのではないだろうか。
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