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4月4日、バグダードのドイツ、エジプト、イランなどの大使館が建ち並ぶ地域で連続爆弾テロ(死者41名)が起きた。また5日には、パキスタンのペシャワルにある米総領事館近くの検問所が武装勢力の襲撃を受けた。
無辜の人々が巻き込まれるテロ事件が相次ぐ中、日本国内では別の意味で西アジア地域に注目が集まっている。
1つは、アフガニスタンでのジャーナリスト常岡さん(40歳)の行方不明事件である。そしてもう一つは、イランの核開発問題である。
後者については、現在、日本が国連安保理の議長国となっていることや国際原子力機関(IAEA)の事務局長が天野氏であることと関係している。これは、イランが核弾頭開発を行っているとの不確実情報をいかに評価するかという難問である。
前者に関しても、常岡さんがタリバン勢力に身柄を拘束されており、タリバン側は仲間の釈放を求めているとの報道が流れているが、事件の全容が見えず難問といえる。
常岡さんの事件について、4月2日、平野官房長官が「誘拐されたということは承知している・・・」と述べ、大使館が情報収集や対応に当たっていると説明した。
気になる点は、常岡さんが3月31日にタリバン幹部にインタビューをしていたのではないかと推定されるアフガニスタン北部クンドゥズ州では、国際治安部隊(ISAF)に所属するドイツ軍兵士の被害が増加していることである。
安岡さん事件が報じられ始めた4月2日にも、橋の整備と地雷除去に当たっていたドイツ部隊が襲撃され、兵士3名が死亡している。
ドイツ国内では、アフガニスタンでの復興支援活動で人的犠牲が拡大していることから、NATO軍としての生きがいは兵の戦略的意味を疑問視する人が増えていると報じられている。
クンドゥズ州の復興は、地域の人々を巻き込んで安全・安心を構築するには至っていない。むしろカルザイ政権の統治能力に疑問を持つ人々が多い地域といえる。
こうした地域では、現地部族の人々の協力を得て情報収集や人質解放の仲介役を見つけることが相対的に難しい。
さらに、一部情報ではクンドゥズ州ではアルカイダ系のイスラム武装勢力も活動しており、身代金ビジネスの末、常岡さんの身柄がこうした勢力に渡る危険もある。
なお、2009年末に常岡さん同様、取材後に誘拐されたフランス人のテレビ記者2人は未だに解放されていない。今回も長期戦となる可能性があることを覚悟しておくべきだろう。
常岡さんの無事を一日も早く確認できることを心より祈っている。
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