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6月9日(日本時間10日)、国連安全保障理事会は、イラン核開発問題で同国への追加制裁決議案を採択した。
5月18日に米国が同理事会メンバー国に決議案の原案を配布してから協議が続いていたが、核開発の管理を安保理常任理事国が主導的に行うことを嫌ったトルコとブラジルが、決議案採択に反対してきた。今回の採択ではこの2カ国が反対、レバノンが棄権した。
今回の採択を前に、6月7日から11日の日程で、国際原子力機関(IAEA)の理事会がウィーンで開催された。
7日の冒頭演説で天野事務局長は、35カ国の理事会メンバーに対し、「イランの核開発計画は軍事的側面に関連している可能性がある問題も含まれており、特別なケースだ」と述べた。この発言で、イランの核開発は平和利用目的だとする国々の主張の根拠が弱められたといえる。
この天野事務局長の発言は、IAEA加盟国は核管理が正しく行われているかどうかについて自らが証明する責任があり、IAEAの査察には協力を行う義務があるとの認識を示している。
一方、この点についてイラン側は、IAEAの確認作業が「いつまで」「どこまで」続くのかという疑問を抱いており、これまでもIAEAの確認作業を妨害はしていないと考えている。
このような認識の「不一致」は、かつてイラクの大量破壊兵器の査察問題でも生じていた。その結果、2003年3月のイラクに対する武力による国際介入が起きた。
この「不一致」はイラン、IAEAが示す数値の解釈でも見られている。
このような不一致が重なると、社会的に見て不合理な対立や紛争に発展することは歴史が語っている。
今回の対イラン制裁には、①船舶、航空機などの貨物検査、②弾道ミサイル発射活動の禁止、③イランに対する武器売却禁止、④革命防衛隊関連の団体(40)と個人(1人)の資産凍結などが織り込まれている。
また、別途、米国はエネルギー分野での対イラン措置を取るといわれている。そのことで、米国国内法による外国企業のイランでの活動制限が一層厳しいものになると見られる。
イランに対する国際圧力が高まる中、日本としては、イランと北朝鮮間の核開発協力、武器輸出を考慮した明確な立場を示す必要がでてきている。
日本・イラン関係は、ペルシャ帝国時代以来の歴史的・文化的な結びつきやエネルギー関係などがあり、過去、対イラン政策で米国と対立したことがある。
今回、日本がフランス、イギリス、アメリカ、ドイツなどと政策的不一致を起こしてはならない理由がある。それは①核兵器拡散防止、②イスラエルの対イラン軍事行動阻止、③朝鮮半島の安全保障という外部要因の方が、日本の短期的エネルギー安全保障や一部の企業利益などの内部要因よりも重要問題となっているからである。
これは、G8のメンバー国としての日本の国際認識に関わる問題でもある。
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2010年06月10日
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