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6月4日、菅直人氏が第94代、61人目の首相に選出された。
菅氏は民主党の代表選挙において、鳩山氏から引き継いだ政策として、日米、日中、日韓の外交関係、地方主権問題、地球温暖化問題、新しい公共を紹介した。いずれも問題を明確化するには、従来の方法をとっていては難しいものばかりである。また、代表選で自身の目標として語った、日本の財政、経済、福祉を強くするという政策も、同様に難しい。
しかし、政策形成においては、「問題をチャンスに変える」という言葉がよく使われる。これは、問題を創造的に定義し直すことで、選択肢を多く見出し、チャンスにつなげるということである。
その際、初めの情報で作られた問題のイメージは強く働き、それを払拭することが難しいものであることを認識しておくことが大切である。そのことを意識して柔軟に政策選択を行わねばならない。
さらに、選択に当たっては①制約条件、②各選択の結果による影響、③実施コスト(シャドー・コストを含む)、④他の政策とのバランスなどを考慮する必要がある。
菅氏が挙げた上記のような問題群については、問題解決に向けて優先順位をつける必要もある。
さて、政策が成功するか失敗するかは、政治家、官僚、利益団体の資質やパフォーマンスにかかっていると考えられている。しかし、意外にも経済要因の影響も大きいとの研究がある(米国のA・グレーザ博士、L・S・ローゼンバーグ博士による)。
そうだとすれば、鳩山氏から引き継いだ問題群の実施に取り組むより先に、マクロ経済や、富の再分配、規制緩和などの改善に力を注ぐべきだろう。
そして、ボトムアップにより地方主権に道を開く努力も必要である。
明治元年3月につくられた五箇条の御誓文の中に、「広く会議を興し、万機公論に決すべし」(1条)、「上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし」(2条)という条文がある。
ここで、同御誓文を持ち出すことに違和感を覚える人もいるだろうが、これは国の改革にあたり、政権指導者(当時は天皇)が先頭になり万民が心を合わせて臨むよう、まとめられたものである。これは、戦後復興のスタートとなる昭和天皇の人間宣言においても引用された。
日本の大きな変革期につくられ、引用されたこの文書は、日本が封建制社会から民主主義の近代国家へと変革するという目的達成のための目標事項であったともいえる。
現在の日本社会ではふさわしくない箇所もあるが、変革期の日本人が考え抜いて生み出したものとしてみれば、そこには、既存の制度を大きく変え、「失われた20年」に終止符を打つためのヒントを見出せるのではないだろうか。
第3条には、「旧来の陋習を破り」とある。
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