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4月11日、東日本大震災から1か月が過ぎたことを期に、政府は復興構想会議のメンバーを発表、12日には管総理が記者会見を行った。
この大震災の被害は現在のところ、死者1万3000人以上、行方不明者1万4600人以上、負傷者4600人以上となっている。また、全壊もしくは半壊した建物数は5万9600戸以上に上る。
さらに、福島第一原発事故の影響で、およそ18万人が避難生活を送っている。
3月16日のブログ「福島原発事故の解決は国際協力で」の文末に、「菅政権には、大海に大きく身を投げ出してこそ、日本を救えることを認識してほしい」と書いた。しかし、原発事故のみでなく、大震災の復旧・復興においても対応が不十分として国内外から厳しい批判が出はじめている。
菅政権に対する歯がゆさや苛立ちの感情から、「説明責任が不足している」とか、「ダメだ」と結論付けることは容易い。しかし、菅政権の対応について、観点を挙げて項目立てをし、基準に照らした評価をしてみると何が見えてくるだろう。
同政権の危機管理について評価してみよう。1番目に実施体制の整備の観点では、①実施組織の連携が図られているか、②組織の人的規模・バランスはどうか、③明確な組織内の意思決定プロセス、責任分担のもとで運営されているか、などが一般的に評価項目として挙げられるだろう。
2番目に、活動目標の周知・公表の観点では、①活動の実施者に対しての周知、②活動の受け手への適切な公表などが評価項目となる。
3番目として、活動内容および方法の観点では、①目標を達成するための実行可能性の高い活動計画(目標との整合性、範囲の適切性)が策定されているか、②活動方法の有効性、効率性などが挙げられる。
そして、4番目として、実施効果の観点からは、①成果、②目的達成に向けての貢献度などが評価項目となる。
今回の菅政権の各対応を、この4つの観点で、「問題がある」、「相応である」、「優れている」の3段階で評価すると、やはり「問題がある」が多くを占めるだろう。結論としては、感情に基づく評価と同じである。そうであれば、いちいち観点と評価項目を挙げることは無駄ではないかと思うかもしれない。
しかし、結果は同じでも、評価する対象を分解して考えることで、「改善」の糸口がつかめるのである。
では、今回の大震災への菅政権の対応で改善すべき点は何か。
菅政権は、過去の事例をベースとした増分的思考(インクリメンタリズム)で政策立案をする傾向が見られている。そして、実施体制に問題があることで、活動計画・内容そしてフィードバックが不適切となっている感がある。根本的には、意思決定プロセス(政策立案・決定)に問題があると言えるのではないだろうか。
それは、菅首相のリーダーシップの問題か、内閣府の機能の問題か、官僚と政治家のバランスの問題か、それとも他に問題があるのかは確認できない。
それでも、仮に、菅首相が本日の記者会見で、①退任時期、②退任までの達成目標、③民間人を含めた能力評価による組閣を表明し、身を大海に投げ出したとすれば、日本は新たな第一歩を踏み出せたのではないかと残念に思う。
過去に行った災害復興活動を基本方針としたのでは、3.11後に生まれている復興に対し日本人が一つにまとまろうとする機運を逃す恐れがある。人々のつながりこそが、新しい日本をつくる源となる。
このような危機の時代にこそ、この国の未来を形成する希望の芽が萌え出ていると信じたい。
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2011年04月12日
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