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国際通貨基金(IMF)は411日、短期予想を発表し、世界経済は2015年まで年間平均4.6%の経済成長ができるとの中期見通しを示した。その原動力は、新興国の経済成長で、年6%を予想している。一方、その見通しを危うくするものとして、東日本大震災による日本経済の衰退や、世界的な物価の上昇、債務危機を挙げている。
また、IMF12日、日本の財政政策について、復興費用を見極めた上で中期的な財政再建策を示す必要があると指摘している。震災、原発に加え、日本の財政危機も世界の懸念材料の1つとなっている。
 
さて、人間は総じて不都合な真実と正対することが苦手である。しかし、「取り敢えず・・・」と問題を先送りし、時間が解決することに期待を寄せてばかりはいられない。
政府は4月の月例経済報告において、東日本大震災によって景気が後退局面に入ることに対し、否定的な見方を示したと報じられている(413日付の日本経済新聞)。
この度の大震災について、ゴールドマン・サックスは314日時点で、被害総額は16兆円(阪神・淡路大震災の1.6倍)と試算している。また、国土交通省は道路、港湾で15000億円、それに公共施設、住宅を加えた失われた社会資本の額は16兆〜25兆円と試算している。
このような被害が起きる前の経済状況はというと、201010月〜12月の国内総生産(GDP)で前期比0.3%のマイナスであった。また今年に入っても31日に、日本銀行が金融市場に、1日としては過去最高となる218000億円の緊急資金供給を行い、経済の底支えを行っている。
 
こうした現実から、景気後退局面を連想することを否定できるのはなぜだろう。
仮に、大震災によって調査資料が不足していたとしても、政府は現状を掌握していると国民が納得する表現にすべきだったのではないだろうか。そうでなければ、1か月を経て唐突にレベル7を表明した福島第1原発事故と同様の結果になるのではと、国民は不安を抱くのではないだろうか。
 
昨日も書いたが、菅政権は過去に発想の源を求めることを好み、どうも増分主義(インクリメンタリズム)の傾向が強い。それは、「3.11」によって多くの日本人の生活、意識が変わったことを実感していない人々が、政策形成過程に参画しているからではないかという気がする。
例えば、昨日の菅首相の演説で、復興について挙げた「自然に強い地域社会、地球環境と調和したシステム、弱い人にやさしい社会」という3つの目標や、その目標達成のために「全国民の英知を結集する」との言葉は、大震災前にも使われていた机上で書かれたきれいごとに響く。
この大震災で示された国際社会のつながりを認識し、その社会変化に目を開いていれば、おそらく、復興構想会議のメンバーに他国の有識者を加えることや、ソーシャルメディアを活用して国際的なプラットフォームをつくるなど、「大きく日本を変える」ための手段を表明したのではないだろうか。
今、日本の原発問題への対応や復興は世界の注目を集めている。閉ざされた社会空間で問題を処理することは許されない。思い切って、世界空間に生きている様々な人々と信頼に基づく連帯意識を育み、協働しながら未来をつくる政策を打ち出してほしい。
 

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