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5月17日、CNNが英シンクタンクのアナリストのノーマン・ビン・オスマン氏(リビア・イスラム戦闘集団の元指導者)の話として、エジプト人のサイフ・アデル容疑者がビンラディンの暫定後継者になったと報じた。アデル容疑者はエジプトの特殊部隊の元将校という経歴を持ち、1998年にケニア、タンザニアで起きた米大使館爆破事件に関与したと見られている。現在の居場所場不明だが、パキスタンにいるとの分析もあり、パキスタン情勢は今後も注視する必要がある。
そこで、以下では米国とパキスタンの関係を考えてみたい。
パキスタンは、テロとの戦いで多くの死傷者を出している。
しかし、同国の3軍統合情報部(ISI)は、アルカイダやタリバンなどと密接な協力関係があると考えられている。また、同国では、ザルダリ大統領よりも軍が実権を握っていると言われている。その軍の中心的人物であるキアニ参謀長は、国内およびアフガニスタンのタリバンを対インド戦略のために使っていると考えられている。
米国としては、この参謀長を説得し、パキスタンにいると見られる国際テロリストの身柄引き渡しを求める必要がある。それができないままだと、南西アジアにおいて展開している米軍が撤退すると、タリバンやアルカイダが再び勢力を伸ばす可能性がある。
パキスタン軍にとって、国内にビンラディン容疑者がいたという事実は、弱みとなっている。見方によっては、米軍はパキスタン軍と共同で、同国内のテロリストの追跡に当たる機会ともいえる。
これは、米国内で聞かれ始めている、アジア・太平洋重視の戦略変更に逆行する。しかし、テロとの戦いでは、パキスタンの核兵器がテロリストに拡散することを防ぐことが重要である。この課題はビンラディン容疑者の殺害で達成できたわけではない。パキスタンへの米軍の投入という、「レッドライン」を越える無謀なシナリオも想定してこそ、ザルダリ政権との交渉が進展すると言えるのではないだろうか。
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2011年05月18日
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