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チュニジアでの市民暴動は、114日、ベンアリ大統領が国外(サウジアラビア)に退去し、政権が崩壊するという事態をもたらした。
この状況を受け、15日にメバザア下院議長が暫定大統領に就任した。
同暫定大統領は、ガンヌーシ首相に野党との連立協議を支持する一方、60日以内の大統領選挙実施を憲法評議会に公表させた。
現在のところ、チュニジアは、まだ政治的には不安定だが、治安、秩序は徐々に回復しているようだ。
 
さて、国際社会が注目しているように、チュニジアでの今回の政変が、今後中東地域に「民主化ドミノ」現象を引き起こすのだろうか。
中東地域の国家を表層的に、①長期政権、②民主化の停滞、③高い失業率、④貧困・格差の大きさなどの観点から見れば、同質性の高さが目に付く。したがって、チュニジアと同様の事態がドミノ倒しのように、この地域の他の国にも起きるとの見方ができるだろう。
しかし、例えば、各国の統治者の特質をとってみても、イスラムの預言者ムハンマドの系譜という正統性をもつモロッコやヨルダンの国王と、選挙という手段によって正当性を得ている共和国のアルジェリアやエジプトでは、市民の統治者に対する敬意の度合いに差がある。
また、国によってイスラムの法学派や、部族社会のあり方も多様であり、各国の社会空間の違いは大きいと言ってよいだろう。このため、そこに生きる人々の価値観も多様である。
したがって、ドミノ現象が起こるという分析は興味深いが、蓋然性はマスメディアなどで懸念が語られているよりも低いと言える。
 
チュニジアの政変の今後の注目点は、同国の世俗性が保たれるかどうかである。
1990年代に非合法化された政党「アンナハダ」のイスラム指導者ラシード・ガンヌーシ師が近くロンドンから帰国すると見られている。同党のようなスラム的政治組織の活動が、どの程度、チュニジアにイスラム復興の機運の高まりをもたらすのか気になるところである。
 
もう1つの注目点は、今回の市民抗議活動がここまで広がった要因として、インターネットや携帯電話などの普及がある。
情報の入手の容易さ、伝達速度、伝達範囲が格段に優れている機器を手に入れた市民が、見ず知らずの人々と情報を共有化し、意識を連帯させている。
時空が圧縮されている現代社会において、世界で同質性が高まりつつあると地理学者のデビット・ハーヴェイは指摘している。
今回の政変で、チュニジアの人々は、どのような意識を、どのような人々と連帯させたのか。それがどのような地域との同質性の高まりをもたらすのか、注視していきたい。

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