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シリア政府は425日、市民の抗議行動が続くダルアー市に、「テロリストを相当する」との理由で3000人規模の軍隊を進撃させた。
現地の人権活動家の話として、ロイター通信が報じているところでは、25日早朝の礼拝後、軍と治安部隊が戦車、装甲車を用いて同市に侵入し、住宅や貯水タンクなどを攻撃した。AFP通信は、これによる犠牲者は少なくとも25人以上と報じている。
また、これに先駆け、24日にはシリアの人権活動家30人以上の身柄を拘束したとの報道もある。さらに、軍投入後にシリア全土で500人を拘束したと26日付ロイターは報じている。
 
シリア政府がこのように大規模に軍を動かした要素の1つには、シリア第7師団の関係施設があるカタナにおいて、22日に抗議デモが発生したことがあるとの見方もある。カタナには軍幹部も多く居住しており、アサド大統領は市民の抗議活動が軍内部に広がることを恐れ、思い切った行動に出たと考えられる。
しかし、アサド大統領も懸念していたように、これまで市民活動の鎮圧に当たってきた第4師団(アサド大統領の弟マヘル氏が指揮するアラウィ派中心の編成)と、スンニー派が成員として入っている他の正規軍との間で、小規模ながら軍事的衝突が起きている。
また、衛星テレビのアル・ジャジーラは、軍司令官クラスの2人が抗議活動を展開している市民の側に付いたと報じている。
軍が市民への発砲に反発して体制から離反する事例は、チュニジア、エジプト、イエメンでも見られている。
ただ、シリアでは今のところイエメン同様、一部の離反者が出るにとどまっている。
アサド政権は、通常シリア・イスラエル国境の任務にあたっている軍隊も含め、市民抗議活動が行われている市や町への軍配備を進めており、①ダマスカスとその近隣地域、②シリア中部およびアレッポ、ホムス、ハマの町、③南部全般およびジェベル・ドルーズの3つに担当軍団が分けられていると伝えられている。
 
こうしたシリアを取り巻く国際環境を見ると、リビアの場合と異なり、安保理決議をまとめられそうにない。現在のところ、安保理としては、英、仏、独、ポルトガルが主導し議長声明をまとめる努力をしている。また米国は、アサド大統領や同国政府高官に対し、単独で経済制裁(資産凍結、入国拒否)をかける方向である。
アサド大統領にはトルコのエルドアン首相が頻繁に電話で接触しており、そのエルドアン首相は、オバマ米大統領とも頻繁に電話で話していると伝えられている。
今後の注目点は、GCC諸国をはじめとするアラブ諸国が、シリア問題についてどのような立場をとるかである。
仮に、アラブ連盟がシリアの人権侵害に対し厳しい評価を示すようであれば、欧米諸国も新たな経済制裁、さらには安保理での武力容認決議へと進む可能性もある。
 

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