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東日本大震災と政治家

政治学者の御厨貴氏は、311日について「戦後の終わりであり、『震災後』と呼ぶべき時代の始まり」だと指摘している。
その日から、3か月を迎えようとしている。
英紙『ガーディアン』は512日付で、「津波が16の市町、95000軒の家屋、23の駅、何百キロもの道路、鉄道、防波堤を破壊した」と紹介し、この復興を10年と見積もるのは楽観的であるように思うと報じていた。また、これまで通りの政治に戻るわけにはいかないだろうとも分析していた。
 
しかし、過去4年間で4人の首相を引きずり下ろした国会議員と一部マスメディアは、適任者を具体的に示すことなく5人目の首相の退任を迫っている。また、不信任決議案が否決されたことで、政党再編への機会を逸してしまった。一連の騒動の結果、残ったものは「ねじれ国会」と「政治家への国民の不満」だけである。
国民の多くは、なぜ政治家はこの複合災害からの復旧・復興に専念することができないのか、と疑念を抱いているのではないだろうか。
原因の一つは、現行の政治制度にあるだろう。
4年の任期を待たずに行われる衆議院選挙、3年ごとの参議院選挙、2年ごとの党首選挙が絡み合っている中では、5年先、10年先の日本を見据えて語れる政治的リーダーは生まれにくいかもしれない。
 
そうした日本をしり目に、中国は着実に経済大国への道を歩いており、政治リーダーも育成されている。
201012月に英国の『エコノミスト』誌は、2019年に中国は世界一の経済大国になると予想したが、国際通貨基金(IMF)は、今後5年以内との報告書を出している。
いずれにしても、国際社会において中国の影響力が強まっていくことは確かである。中国は単に政治的発言力を高めているだけではなく、国際原子力機構(IAEA)やIMFなどで日本が得ていたポストを脅かすまでになっている。
国際社会では、政治家が閣僚経験を活かして、国連や国際機関などの重要ポストで活躍している。それに対し、日本では官僚経験者が国連や国際機関などの重要ポストに就くことが少なくない。
どうやら日本では、政界よりも官界の方が、先見性があり、多様な意見の調整能力、説明能力が高く、世界的人脈を持つ人材が豊富であるということのようだ。
 
日本の政治家たちは、東日本大震災からの日本の再建の課題である(1)東北地方の創造的復興、(2)地方分権化、(3)税と社会福祉の一体改革、(4)新エネルギー戦略などの荷が重いため、まずは取り組みやすい政局へと関心を向けているだけにも見えてしまう。
こうした政治のあり方を続けていると、日本の国際的地位は瞬く間に落ちてしまうのも当然である。
特に、外国留学経験、閣僚経験がある政治家は、もっと国際社会に自らの身を置き、世界と母国のために活躍するという気概を持ってほしい。
世界一の経済大国を目指す中国の隣に位置し、大震後の国家再建をはからねばならない日本にとって、「国際標準」で行動する政治家が大いに求められている。
 

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