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オバマ米大統領は622日、ホワイトハウスから「アフガニスタンでの今後の道筋」と題したテレビ演説を行った。この演説で、200912月に決めた戦略にそって増派した33000人分は、来年夏に帰還させる方針が示された。また、うち1万人はこの7月から年末までに撤退するタイムスケジュールも明示された。
 
今回の発表を前に、オバマ政権内では2014年の完全撤退が目標であるが、大統領選挙や財政問題などの国内要因を重視し撤退を加速させる案と、タリバンを台頭させないような小規模撤退をする案とが選択肢として立案されていた。
オバマ大統領のこうした政策選択は、米軍関係者が主張した小規模撤退案に近いものであり、あくまでもタリバンに軍事的圧力をかけながら同組織との交渉を進めるとの姿勢がとれる環境を維持するものである。
 
私は、このオバマ大統領の政策選択を評価できるものと捉えている。
その理由を述べる前に、過去の政策での問題点を指摘しておこう。
1点目は、多くの人が指摘しているが、2001年のボン会議以来、米国はタリバンを排除し、交渉相手とみなしてこなかったこと。
2は、米軍やNATOがパキスタンの3軍統合情報部をはじめとする軍部や治安機関と十分な信頼関係を構築できなかったこと。
3は、国造りで欧米モデルの中央集権的方法や制度を構築したこと、である。
これらは、部族性が色濃く残るパシュトゥーン人が多く居住しているアフガニスタン、パキスタンの地域の特性を軽視した政策だったと言えるのではないだろうか。
タリバンは、パシュトゥーン人の中の複数の部族からなっており、一枚岩ではない。この点に鑑みれば、早く交渉相手となる部族を見出し、それを糸口にタリバン強硬派と、そうでない部族とを分離させることを試みるべきだっただろう。そして、タリバンとの対話の早期の実施には、やはり同じグループの創設と深くかかわっているパキスタンの政府と連帯することが必要条件であったと考えられる。
 
さて、このような問題の改善策の1つとして、オバマ政権はタリバンとの対話を実施しながらカルザイ政権の治安能力を高める訓練も行っている。今回、オバマ大統領が決定した政策は、この改善策を一層強化するものとなっており、妥当であると言える。
米国内では、マケイン上院議員に代表されるように、撤退時期が早すぎ、規模が大きすぎるためタリバンが台頭することが懸念されるとの声も聞かれる。
 
カルザイ大統領は、次期大統領選挙に出馬する意思はないと表明している。恐らく、次期大統領はカルザイ大統領と同様のパシュトゥーン部族出身者で、宗教的にも、部族的にもバランスが良い人物が選ばれるだろう。
そこで重要なポイントは、各地域の部族長への権限移譲である。それを実施するには、まず軍事力と交渉を使って地域を安定させることが必要である。その上で、憲法の改正を検討しなければならない。
 
こうしてみると、「オバマの戦争」と呼ばれているアフガニスタン戦争も、終わりの始まりがようやく見えてきたのではないだろうか。

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