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新たな年を迎えました。
2012年は「政治の年」といわれるように、政治体制を決める選挙が世界各地で実施される。また、昨年12月の北朝鮮の政治指導者の交代により、日本の安全保障上、これまで以上に朝鮮半島を注視すべき時期に入った。
このような国際情勢の不安定さが増す要因に加え、エネルギー問題でも懸念材料が増えている。以下にこの点について考えてみる。
地球の人口は、2011年10月に70億人を超えた。これからも人類は数を増やし、生活を向上させる方向に進むだろう。今後しばらく、その中心地域はインドを含めたアジアである。現在、その人口動態のボーナスがアジア地域の経済成長を支えている。
しかし、このボーナスは気候変動問題、食糧問題、水問題、感染症といった地球規模問題などへの負の影響という「不安感」を人々に抱かせる要因になっている。
また、昨年の東日本大震災に伴う福島原発事故による原子力発電の継続問題が、地球規模問題の1つであるエネルギー問題に新たな課題を投げかけている。それは、再生エネルギーへのエネルギーシフトの早期達成の困難さに伴う原油・天然ガスの需要増にどう対処するか、というものである。
現在の国際情勢において、この課題の難しさを改めて認識させられる出来事が新年早々起きた。それはイラン海軍によるミサイル試射であり、国際的に多くのメディアが報じた。
問題は、イラン側が国際経済の不安定性を踏まえて、グローバルメディアの力を利用して原油価格を上昇(これにともない天然ガス価格も上昇する)させることができることを、国際社会に見せつけていることである。
イランは今回の試射を、国際社会が同国の核開発問題に対し、イラン中央銀行との取引禁止まで実施し始めたことへの対抗措置と位置付けているとも考えられる。
イランは、ペルシャ湾の出入り口であるホルムズ海峡を軍事的に封鎖できる能力(射程200kmの対艦ミサイルやレーダー追尾を避けられるミサイル)を示すことで、国際社会の対イラン経済制裁を強める流れを阻止することに加え、次のような政策効果も視野に入れているだろう。
(1)対イランの海軍兵力、空軍兵力の展開に対する警告
(2)イランが原油価格上昇に影響力があることを明示
(3)湾岸アラブ産油国に対イラン政策を変更させるための圧力
(4)原油価格上昇による石油収入の拡大
このイランの行動によって、国際社会は原油・天然ガスの供給が減少するリスク、先物市場での原油価格上昇による経済リスク、さらに保険料金の上昇に伴う輸送コスト上昇の経済リスクなどへの対応を迫られることになった。
そして、その対応が長期化することに加え、イランの(1)核開発の進展状況、(2)イラクでの影響力増加、(3)アフガニスタンでの反体制派への支援行動いかんでは、対イラン武力行使といった不確実な状態を想定する必要性が高まっていると言えるだろう。
2012年初頭から、日本は近隣の朝鮮半島問題に加え、エネルギー安全保障問題から生じるリスク連鎖に十分気を配るようにとの警告を受けたようだ。
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